QuizKnock

アプリで記事をもっと見やすく

インストールする

カテゴリ

ログイン
PR
株式会社JERA

国内最難関の大学とされる東京大学。日本の中心にあるその壁は、地方から見るとさらに大きく見えるものです。それぞれ群馬・愛知から東大合格を果たした、QuizKnockの乾とノブは、どんなことを意識して受験に臨んでいたのでしょうか。

乾とノブが「地方からの東大受験」について語るインタビュー。後編となる今回は、2人の個性で分かれる勉強スタイルや戦略、入学して変化した勉強との向き合い方、受験する人へのメッセージなどを聞いていきます。「東京に生まれていたら東大に入れていなかった」「世の中の発言は全てインスタグラム」と話す2人の真意とは?

▲前編では2人が東大を目指すまでについて聞いてきた

【前編はこちら】

群馬県出身。「先生に言われて行くのもなぁ」という逆張り精神でずっと一橋大を第一志望にしていたが、東大模試を受けてから本格的にシフト。地元が田舎で参考書を買える本屋がなかった。
ノブ:愛知県出身。浪人の選択肢がなく「一度しか受験できないなら」とまずは東大を目指したが、気づいたら後に引けなくなっていた。友人も巻き込んで受験勉強をしていた結果、友達の親に感謝される。

目次

◎ 受験勉強は質? それとも量? 2人の勉強スタイル
◎ 東大の試験のあと、真逆の行動をしていた2人
◎ 「東大」に抱いていたイメージにギャップはあった? 
◎ 「東京出身だったら、東大合格してないかも」
◎ 「世の中の発言は全てインスタグラム」受験との向き合い方

受験勉強は質? それとも量? 2人の勉強スタイル

――地方から東大を目指すなかで、2人がどんな風に勉強に取り組んできたか聞いていきたいです。先ほどのインタビューで乾さんが「東大」というイメージに自分で壁を作っていたという話がありましたが、ノブさんは尻込みしてしまうことはありましたか?

ノブ 模試とかでE判定とかが返ってきたときは当然つらくはなるんですけど、「東大に行けないかも」って思ったことは一度もない気がします。

▲「一度もないかもですね」

――一度も。それはなぜですか?

ノブ 今考えると結論としては、「めちゃくちゃ勉強してたから」。かなりの量、かなりの時間勉強してたことが、自信につながっていたのかなという気はしてます。

 それはめっちゃわかる。僕もそういう不安があったからこそ勉強してたのはある。結局、勉強の不安は勉強でしか解消できないんだよね。単語を覚えようと思ったら、単語帳を見るとかしかやることがないから、それをもうやるしかないよねっていう。

ノブ そうそう。あと勉強の「質」って実際大事だとは思うんだけど、量をやってこそ自分に合う勉強法が見つかることもあるんですよ。僕自身、質だけ追い求めても自信の根拠となってくれるものがないなって思っていて。だから受験当日までそういう自信を持って臨めたのは、「ここまでめちゃくちゃ勉強したんだ」という自覚があったからかなって思ってますね。

▲不安だからこそ勉強する、それが自信になる

――勉強で重要なのは質か量か、という話はよく聞きますが。

 ということはノブは質より量派?

ノブ 俺は質のこと考える前に量をとる派かな。でも「どちらかと言えば」というだけで、質の高い勉強を長時間やることはできるし、質と量は同時に達成しうるものだとは思ってるよ。

 それは確かにそう。

――乾さんはどうでしたか?

 たぶんノブよりは質重視派なんだろうなって思うかなぁ。もちろんメンタリティとしてはノブと一緒で「めっちゃ勉強しよ」っていう感じなんですけど、どれだけ勉強しても点を取れなかったら意味ないよねっていう考えは結構あったかなぁ。

▲それぞれに勉強スタイルの違いがある

 これは塾の先生の受け売りなんですけど、もしも東大に落ちましたってなったときに、大学に「僕は何千時間勉強したんですけどなんで落とされるんですか」って電話しても、「いや、それは点が取れてないですからですよ」って言われるだけじゃないですか。

ノブ そりゃそうだ。

 そう考えたときに、少なくとも東大に合格するための勉強は、東大に合格するためにあるべきと思っていて。だから質が高いでも量が多いでも何でもいいんだけど、結果につながらなかったら意味ないよなぁっていうのは根本にあるんですよね。

――具体的にはどんな勉強方法を意識していたんでしょうか?

 一言でいうなら、間違えた問題を大事にすることですかね。闇雲に勉強するんじゃなくて、再現性というか、間違えた問題をちゃんと理解して、次は同じ問題なら当然、類題でも解けるようにすることは意識してました。

ノブ うんうん。

 たとえば友達がいつもと違う服を着ていても、「その人だ」とわかるじゃないですか。でも、1回会っただけの人だったら気づかないかもしれない。問題も同じで、細かい設定とか言い回しが変わってるせいで類題を類題だと思えないことがあるんです。だから、一度出会った問題の本質を理解しようとしていました。

――なるほど。

  ここでもやっぱり印象的なのが高校のときに通ってた塾の先生で。僕は塾で問題の解き方というよりも、勉強の取り組み方を教わったと思っていて。塾の先生がすごく厳しかったんですよ。

▲「高校時代通ってた塾の先生がめちゃくちゃ厳しくて」

 どんな簡単な問題でも「これが正解なのはわかったんだけど、こっちが正解じゃないのはなんでですか?」ってめっちゃ問い詰めてくるの。たとえば、センター試験(現在の共通テストにあたる)の英語の最初の方にある、文法の問題とかでも。

ノブ すご!

 でもみんな「なんとなく」で解いちゃってるから、大体答えられないんですよ。そういう「簡単」といわれている問題に1時間かけることもあったんだけど、そのおかげで勉強への態度を教え込まれたというか。

――態度というのは?

 少なくとも東大とかセンター試験の問題って、基本的に解釈が割れるような答えにはなっていないはずで、論理的に考えれば絶対に答えが導けるんですよね。未解決問題が出されているわけじゃないから。

ノブ わかる。「この問題はこれを使えば解ける」っていう方法論だけじゃなくて、なぜこれが問われているのかとか、当然そのように解かれるべくして問題が作られているんだからということを理解するのは大事だと思う。

▲「出題者とかの意図とかも考えるようにしてた」

 そうそう。だからこそ、問題の本質が理解できていれば、間違えても次に出会う類題は正解できるわけで。そういう再現性を意識して、どこでつまずいたのか、何が足りていなかったのかを、論理的に考えながら勉強してました。

次ページ:重要なのは「当日に向けてどう勉強するか」2人の受験シミュレーションとは?

1
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

関連記事

この記事を書いた人

野口 みな子

QuizKnock編集部で記事の編集をしながら、記事も書きます。記事を通して「知る楽しさ」の入り口を広げていきたいです。インターネットや動物、ポップカルチャーが大好き。大学時代は宇宙物理学を専攻していましたが、星座に詳しくないのが悩みです。名古屋大学の大学院理学研究科卒。

野口 みな子の記事一覧へ