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株式会社JERA

2人目:ソフロレリア

博士号(農学)を持つソフロレリア。今回の参加者の中でもインテリ度は頭一つ抜けているはずだが……?

▲次々にいかつい瓶を取り出し始めたソフロレリア

なんかやばいお酒並べてるんだけどこの人。
度数おかしくない?
用意したのはまずアペロール。これはオレンジとハーブをアルコールで漬け込んだリキュールね。こっちはカンパリで、ちょっと苦味のあるハーブ系。テキーラはご存知の通り。あとジンね。
これ全部使います。
僕がイメージするのは海外の科学者。早速作っていきましょうか。

アペロール:テキーラ、カンパリ:ジンの比率がそれぞれX:X、Y:Yの比率になるよう混ぜ合わせます。
???
アペロールとテキーラが同じ量、カンパリとジンが同じ量ってことね。
確かに科学者っぽいこと言ってるけれど。

ダバァ

おい、めっちゃいったぞ。
テキーラも同じ分量だから……。
あの人博士号持ってるってマジ?
カンパリとジンも同じように入れていきます。こちらはアペロール、テキーラよりも少なくです。そしてこれを混ぜていくんですが…….。

混ぜる時にはマドラーを2本使います。
それは何か意味があるんですか?
偉人を表現するのに肝となる部分なんです。

▲ソフロレリア、止まらない

とは言ってもそのまま混ぜるだけですが……。
……もしかして、生物系の人ですか? 「二重らせん」の2ってことなんじゃないかと。
え、まさか。
その通り。
というわけで、このカクテルがイメージしている偉人はワトソンとクリックです。

ワトソンとクリック:DNAの構造を解明したとして、1962年にノーベル化学賞を受賞した2人の化学者。アメリカのジェームズ・ワトソンと、イギリスのフランシス・クリックのこと。

 

ソフロレリアのインテリカクテル

実は今回カクテルに使った材料は、それぞれ頭文字をとるとATGC。DNAを構成する塩基のアデニン、チミン、グアニン、シトシンをそれぞれ意味するアルファベットです。

うっわ、マジだ……!!
本当だ!!!
分量がX:X、Y:Yとなっているのは「シャルガフの経験則」に基づきます。

シャルガフの経験則:DNA中のアデニンとチミン、シトシンとグアニンの分子数はそれぞれ等しいという法則。

(2022年5月23日11:30 お詫びと訂正)記事掲載当初、シャルガフの経験則を「DNA中のアデニンとグアニン、シトシンとチミンの分子数は等しいという法則。」と掲載しておりましたが、正しくは「アデニンとチミン、グアニンとシトシンの分子数はそれぞれ等しいという法則。」です。お詫びして訂正いたします。

人のDNAの塩基配列が大体3:3:2:2なので今回はそれにならいました。混ぜるのにマドラーを2本使ったのは、お察しの通りロザリンド・フランクリンがX線解析で発見した二重らせんにちなんでのことですね。
これはやられたわ……。

試飲

驚異の発想で一同の度肝を抜いたソフロレリア。淀みないプレゼンに圧倒されるなか、どう考えても心配なのは味の方。

頭文字で選んだんでしょ? どう考えても飲むこと考えてないよな……。

▲つい実験のときの匂いの嗅ぎ方になってしまう

……これはキくなぁ。

▲衝撃的な味に、笑いが止まらない一同

後味は悪くないけど、香りがあまりに強すぎる。
大人の飲み物というか、大人すぎる飲み物だ。

▲なぜか得意げなソフロレリア

これね、味の保証は全くなかったんですよ。
そんな物を人に出さないでほしい。

確かな知識に裏付けされたプレゼンは高評価を得ましたが、味を度外視した強すぎるコンセプトが裏目に出てしまったようです。

ワトソンとクリックが1954年に発表したDNAの構造についての論文はA4の用紙たった2枚におさまるほど短いもの。今回僕がショートカクテル(カクテルグラスで比較的短い時間で楽しむタイプのドリンク)に仕上げたのも、そういう意図があってのことです。
完璧だ。
味以外ね。

次ページ:続くあさぬまが驚異の才能を発揮

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この記事を書いた人

志賀玲太

志賀玲太です。東京藝術大学美術学部芸術学科を卒業。なんだかよくわからない記事を書きます。大概のことは好きです。

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