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株式会社JERA

3人目:あさぬま

続く挑戦者はあさぬま。日本酒が好きだという彼女ですが、もちろんインテリカクテルにおいてその実力は未知数。日本酒をベースに作られるカクテルは、果たしてどんな偉人の姿を描くのでしょうか。

私が題材にする偉人は、中学校の歴史でも出てくるような人物です。
使うのは日本酒の「越後桜」バイスサワールジェのカシスですね。
あんま見ない組み合わせだね。
私も志賀さんみたいに色合いを大事にしたいんですよね。だから今回は、シェイクではなく一層ずつ注ぎ込んでいく形にします。
「ビルド」ってやつだ。

ビルド:グラスに直接材料を注いで作るカクテルの技法。

 

▲最下層にルジェのカシスを注いだ後に、ゆっくりとバイスサワーを注いでいく

すごい、底の濃い紫からグラスの上にかけて綺麗なグラデーションになってる。
一番上の層は日本酒です。
……度数についてはかなりパワフルみたいだ。
せっかくなので、おつまみも用意しました。柿ピーのピーナッツだけ。あとおまけに羊羹も置いておこうかな。
誰だかまだわからないけど、絶対日本人なんだろうな。ピーナッツにゆかりのある偉人って誰だ?

▲そんなこんなで完成

今回は本人そのものというより、本人が遺した作品や生きていた時代のものを再現しました。
もしかしてかなり昔の人なのかな。
カクテルの色で気になったんだけど紫だし、紫式部ってことないかな。
それ思った! でもグラデーションになってるし、季節の移り変わりを詠んで、ひょっとして『枕草子』とかだったりしない……?
さすがです。今回イメージしたのは、『枕草子』の作者である清少納言です。

清少納言:966年頃に生まれたとされる、平安時代中期の歌人であり随筆家。著作の『枕草子』は紫式部の『源氏物語』と並んで平安女流文学の傑作とされている。

 

あさぬまのインテリカクテル

少納言か〜〜。
『枕草子』の書き出しはこう。

春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

清少納言『枕草子』

ということで、夜が明けていく「あけぼの」の時間帯を表現するために紫を使っています。日本酒を入れたのは、お察しの通り日本人であることから。
で、おつまみなんですけど、イメージとしては清少納言がこういうお酒とつまみを片手に『枕草子』を書いてたら面白いかなっていう。
あさぬまさんの清少納言像独特だな。
『枕草子』って結構自分の気の向くままに書いている印象があるんですよ。「これは好き。これは嫌い。このときの私凄いでしょ」っていう感覚がしっかり残されている。自分に自信がないと書けないというか、少しは気が大きくなくちゃできないことだと思うんですよね。
となるともうお酒飲むしか……。
酒飲みの発想だ。
おつまみにピーナッツを選んでいるのは、平安時代のお酒のおつまみにはあまり調理しないでも食べられるものが多かったから。木の実や果物が多かったらしいので、今回はイメージとしてピーナッツで。ミックスナッツでもいいですね。

試飲

スマートなイメージの再現と、そこにチラ見えする酒好きの発想で一同を驚かせたあさぬま。肝心の味の方はいかがでしょうか。

▲思わず感嘆の声が漏れる河村・拓哉

お い し い
おっ!

本当だ。バイスサワーのしその風味がちゃんと生きてて、和のテイストでまとまってる。味も含めて清少納言って言われて納得だわ。
カシスもいい味出してて、めちゃくちゃすっきり飲めるね、これ。

▲河村「もう一杯だけでいいから」

あの人おかわりもらってない?
味もいいし、偉人の再現も納得。バランスが良すぎるね。

店で出てきてもおかしくない納得の味に、一同大満足。このまま企画を中止して飲み会に移ってもおかしくない出来でした。

これおふぃあうわひゃ
ピーナッツ頬張りながら喋らないでほしい。
ちなみに『枕草子』にはお酒について書かれた箇所もあって、「お酒に飲まれるのはいやしいことだから気をつけろ」とのこと。皆さんはちゃんと気をつけてくださいね。

また、酒飲みてあめき、口を探り、鬚ある者はそれをなで、盃、異人に取らするほどのけしき、いみじうにくしと見ゆ。

清少納言『枕草子』、「にくきもの」文中より

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この記事を書いた人

志賀玲太

志賀玲太です。東京藝術大学美術学部芸術学科を卒業。なんだかよくわからない記事を書きます。大概のことは好きです。

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