「常識を壊したい」ふくらPが書き出したリストとは?
――常識を壊したい?
ふくら そう、常識を壊したくて。「QuizKnockと学ぼう」チャンネルの「美術が好きになっちゃう放課後」っていう回に、美術の世界でも「こうあるべきもの」「こうしなきゃいけないもの」みたいなルールや常識を取っ払う試みをいろいろしているという話がありましたけど、それに近いのかな。
▲「目を閉じたまま動画を再生してください」はいかにして生まれたのか
ふくら 要はYouTubeを使って何か常識を壊せないかと思って、常識をいっぱい書き出してみたんですよ。そのなかから1個壊せればいいかなって。そうやって常識をリストアップしたなかで「動画は目で見る」っていうのがあったんですよね。
――動画は目で見る……。
ふくら だから、「目で見ない動画」を作れば常識が壊せるなと思って。それってなんだよって思ったときに、「目では見ないけど、耳で聞く」はどうだろうと。それをどうやったらおもしろくなるかを考えたときに、「じゃあ目で見たときと耳で聞いてるときで違うものにすればいいな。であれば同音異義語だ」みたいな順番で思いついて。
▲「目で見ない動画」という抽象的なテーマから、同音異義語に結びつけていった
――なるほど、以前ふくらさんが執筆した、コントユニット「ラーメンズ」を紹介する記事に、「同音異義語が交錯する企画を工作中」とあったので、ラーメンズのコントがベースにあると思っていました。
ふくら いや、そうじゃなくて、やっぱり最初は「常識を壊したい」から始まって、考えていくうちにラーメンズのコントを思い出したっていう感じですね。
――そうだったんですね、それにしても「動画は目で見る」ほどのところから企画を考えていたとは。
ふくら 当たり前のものって思いつくのが難しいんですよね。だから、頭の中を空っぽにして、「宇宙人に地球人のことを説明するならどうする?」くらいの気持ちで考えています。
だから「動画は人間が見るもの」とか「スマホは手で持つもの」とか、そういうレベルのものがありました。
▲スマホは手で持つもの、たしかに常識
――そういう根本的なところから考えようとするところとか、新しいものをつくりたいというところはここまでで語ってもらったパズルの考え方と共通していると感じますね。