こんにちは、この度QuizKnockライターになりました朱野と申します。ロンドンの大学院でファッションについて研究をしています。
みなさんは「パリコレ」をご存知でしょうか? 「俳優の〇〇さんはパリコレモデルとしてデビューした」といった話を聞いたり、パリコレモデルを目指す若い女性の過酷な修行をテレビで見たりして、「よく知らないけどなんだかすごそう」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
今回は、そうして耳にすることはあってもあまり知らない「パリコレ」について、「どうしてパリで行われるファッションショーにみんなが憧れるのだろう?」という点に着目しながら、ファッション専攻のライターがじっくりお話しします。みなさんもご存知の世界史上のあの人物が、実はパリのおしゃれ文化にも影響を与えていたり……ファッションの歴史も意外と奥が深いのです。
そもそもパリコレとは?
「パリコレ」とは、フランスのパリで開催されるファッションショーや展示会の総称「パリ・コレクション」の略称です。フランス語ではSemaine de la mode de Paris、英語ではParis Fashion Weekと呼ばれ、春夏向けと秋冬向けの年2回行われます。
この期間パリには、デザイナーとその顧客をはじめ、ジャーナリストやフォトグラファー、バイヤー、モデル、インフルエンサーなど、世界中のファッション関係者が集結します。各ブランドの新作発表の場としてはもちろん、バイヤーが買い付けをしたり関係者が人脈を構築したりと、ビジネスの機会としても重要な役割を果たしています。
パリコレは、オートクチュール(高級仕立服)とプレタポルテ(高級既製服)の2部門から構成されます。特にオートクチュールのショーはパリでのみ行われ、他都市のファッション・ウィークでは見られない特別な部門です。
まずはパリのファッションの歴史を紐解こう!(1/3)