実は「うし」を食べるのも良い!?
「土用の丑の日に『う』のつく食べ物を食べると夏負けしない」という言い伝えに立ち返ると、「丑の日」なのだから「うし(牛肉)」を食べる習慣が根付いていてもおかしくないですよね。しかし、そうならなかった理由は、昔の日本では仏教の影響が強く、肉食の習慣があまりなかったからと考えられています。
とはいえ、牛肉はタンパク質や鉄、亜鉛を多く含み、今では大切な栄養源のひとつです。体力が落ちやすい夏のこの時期に牛を食べるのは、理にかなっているといえるでしょう。
うなぎや牛以外にも、栄養補給や夏バテ防止に役立つ「う」のつく食べ物があります。例えば、梅干し、うどん、瓜、などです。
うなぎの数が減っている!?現在では代替品も
とてもおいしく、食べる歴史も長いうなぎですが、近年ではうなぎの数の減少が問題視されています。2014年、国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを「絶滅危惧種」に指定しました。減少要因は特定されていませんが、海洋環境の変動、生育環境の悪化、乱獲など様々な原因が考えられています。
さらに、ニホンウナギを代替する品とされているアメリカウナギや、ニホンウナギと味が似ているとされ日本での消費量が増えているビカーラ種も、絶滅の危険性が指摘されています。
そのため、現在では、土用の丑の日に過剰にうなぎを消費することを抑える動きもあります。そのひとつが「うなぎ風食品」の登場です。
うなぎ風食品とは、魚のすり身をうなぎのかば焼きのたれで味付けをして、うなぎの蒲焼の味や食感を再現した食品や料理です。本物のうなぎを購入するよりも安く手に入ることもあり、新しい土用の丑の日の楽しみ方として関心が寄せられています。
今年の土用の丑の日は7月28日(水)
2021年の土用の丑の日は7月28日(水)です。うなぎを食べる以外にも、環境のことを考えて、うなぎの代替品に挑戦してみたり、「う」のつくうなぎ以外の食べ物を食べてみたりするのも良いですね!