世界中で愛飲されている「コーヒー」。酸味と甘み、苦味のバランスが絶妙で、ふわりと広がる奥深い香りだけでも大いに癒されます。
私はコーヒーがないと生きていけないくらい、コーヒー大好き人間です。起床してすぐおいしいコーヒーを飲みたいので、毎朝豆から
コーヒー、飲めるまで手間かかりすぎじゃない?
▲飲めるまで、たくさん工程がある……。
家で作るだけでも、豆を挽いて、フィルターをセットして、お湯を注いで、蒸らして、またお湯を注いで……と、とにかく手間がかかって、正直に言うとちょっとめんどくさい。本当にこれって全部必要なの?
「じゃあインスタントコーヒーを飲めばいいじゃない」というツッコミはひとまず置いておいて、これだけの手間をかけているのだから、それぞれの工程にはコーヒーがおいしくなるための意味があると確信したい!
ということで、「コーヒーを作る工程のどれかをすっ飛ばすとどうなるのか」について検証しました! その結果になる理由もわかりやすく解説します。コーヒーにかけてきた私のひと手間、どうか意味があってくれ……!
目次
◎検証する工程:「焙煎」・「粉砕」・「抽出」
◎「焙煎」をしないとどうなる?
◎「粉砕」をしないとどうなる?
◎「抽出」をしないとどうなる?
◎検証してたどり着いた「結論」とは
検証する工程:「焙煎」・「粉砕」・「抽出」
コーヒーを作るにはさまざまな工程がありますが、大きなポイントとして、焙煎、粉砕、抽出の3つがあります。
▲今回注目する工程。
これらの工程は絶対に欠かせないものなのでしょうか? 工程をとばしても変わらず美味しく淹れられるのであれば、私は是非ともそうしたい……。
そこで焙煎、粉砕、抽出という工程をそれぞれ踏まなければどうなるのか、そして各工程は果たして本当に必要なものなのかを検証していきます!
「焙煎」をしないとどうなる?
焙煎とは、生豆を加熱して
市販のコーヒー豆はだいたい既に焙煎されているので、自宅で焙煎する人はあまり多くないでしょう。でも、焙煎しなくてもおいしいコーヒーが飲めるなら、これは業界を揺るがす大発見になるのではないでしょうか?
▲焙煎前のコーヒーの生豆。見た目からもう、望みが薄い。
生豆でできる液体はコーヒーとは程遠い
焙煎工程をとばしてもコーヒーは作れるのでしょうか。生豆のままお湯に約5分間浸して検証します。
▲コーヒーになる気配は感じられない……。
豆の表面が少しだけふやけて、無色透明だったお湯がなんともいえない色に染まっていきます。
【結果】
コーヒーとは程遠い液体ができました。お茶のような香りで、味はお湯にほんの少し植物の青っぽい風味を加えた感じです。生豆の見た目から察していた通りの結果となりました。
▲香り付きのお湯。
なぜ焙煎が必要なのか
うっすら予想はしていましたが、なぜ焙煎工程をとばすとコーヒーが作れないのでしょうか?
これには、焙煎工程で生じる熱分解、メイラード反応、カラメル化、加水分解の4つの反応が関係しています。焙煎という1工程を飛ばすと、反応を4つもすっ飛ばしてしまうことになるとは……。さすがにこれは無理があったようです。
それぞれの反応ついて、コーヒーの味にどのような影響を及ぼしているか、下の図にまとめました。
焙煎過程で生じる、以上の4つの反応によって、コーヒー独特の酸味や苦味、うま味、香りなどが生まれているのです! 焙煎をとばした生豆からの抽出だと、こうした反応が起こらないためコーヒー独特の味や香りが生じません。よって焙煎工程は必要なのです。
そして何よりも身をもって知ったのは、そもそも生豆は青くさいので、そのままでは飲用には適していないということです。
「粉砕」をしないとどうなる?
焙煎が必要ということには納得できました。でも粉砕はただ豆を粉状にしているだけですし、工程を飛ばせるのではないでしょうか?
もしも粉砕せずにおいしいコーヒーが作れるのであれば、朝から豆をごりごり挽かなくてもいいのです。
▲コーヒーの良い香りがする。粉砕しなくても淹れられそう。