QuizKnock

アプリで記事をもっと見やすく

インストールする

カテゴリ

ログイン

こんにちは、東北大学生ライターのユウです。

私は東北大に地下鉄で通っています。大学につながる地下鉄がなかったころは、バスの本数も少なく通学が不便だったそうです。しかし、2015年に地下鉄が開通したおかげで、大学と仙台駅を朝から夜まで自由に移動できるようになりました。

▲非常に便利で、地下鉄にはいつもお世話になっております

調べてみると日本では日々1,000万人以上が地下鉄を使っているそうです。毎日その数の人間が地面の下を動き回っていると思うとすごい。

そんな地下を行き交うひとりとして、ずっと疑問に思っていたことがありました。

気になったら詳しい人に聞いてみよう! ということで、さっそく東京都にある地下鉄博物館にやってきました。

▲東京メトロの葛西駅前にある地下鉄博物館。愛称は「ちかはく」

今回取材に協力して案内してくださったのは、地下鉄博物館の大久保光一さんです。

大久保光一さん:公益財団法人メトロ文化財団所属で、現在は地下鉄博物館にて業務課長を務めている。取材の最後に実は路面電車派であることが発覚する。
ユウ:今回の聞き手。東北大学大学院に在籍中。仙台市営地下鉄を利用して通学をしている。

そもそもなぜ地下に鉄道を作ろうと思ったのか、地上にはいろいろな建物があるのに、どうやって地下を掘り進めていくのか……。

身近な存在だけど意外と知らない地下鉄の疑問について、館内を案内してもらいながら、いろいろ聞いてみました。

▲入口が改札になっていた。こう見えても、心の中では非常にわくわくしている

※展示内容は2022年6月に行った取材当時のものです。

これが地下鉄のトンネルだ!

今日はよろしくお願いします。地下鉄のトンネルについていろいろ教えてください!
さっそくですが、実物大のトンネルがあるので見てみましょうか。

▲実寸大のトンネル。思わず見上げてしまう

でかすぎる!!!! あと地下鉄のトンネルって丸いんですね。
丸いのは後で紹介するトンネルの工法に関係してるんです。このトンネルは「単線シールドトンネル」といって、トンネルの直径は外径で6.6mあります。

▲正面から見たトンネル。人がちっぽけに見えるくらい大きい

2階建ての建物と同じくらいの高さですね。すさまじい。
でも、この大きさでも電車1両分の幅しかないんです。
こんなに大きいのに1両だけですか?
電車がすれ違う複線だと、直径9.8mになります。真ん中の黄色の枠が、地下鉄の車両の大きさを示しているんですよ。

▲下から見たトンネル。画角におさまらないほど大きい

あの赤い線が、ホームの高さです。

▲画面中央部の赤い線がホームの高さ

なるほど。では、これは線路に降り立った視点なんですね。ふだん見ることができないから、めっちゃレアですね!

▲あれっ、この壁はかなり厚そうだな。どのくらいの厚みなんだろう?(ユウは土木専攻)

結構コンクリートが厚いですね。大久保さん、これはどのくらいの厚みがあるんですか?
厚みは……。ちょっとメジャー持ってきますね

▲わざわざ測ってくださった。非常に優しい

▲「350mmありますね」

350mm、35cmでした。
ありがとうございます! 土の圧力に耐えるには、これだけの厚みが必要なんですね。とても興味深いです。

そもそもなぜ地下鉄を掘ろうとした?

そもそも、地面の下に鉄道を通そうという発想がすごいと思います。なぜ地下鉄が必要だったんでしょうか?
当時の移動手段の主流だった路面電車は、乗り切れないほどの混雑が慢性化していました。この改善を目的に、日本で初めて地下鉄ができたのが1927年(昭和2年)です。

経済が急速に発展して人流が活発になっていくなかで、地上の移動手段だけでは、人の移動をまかなえなくなってきたんですね。

▲人が集まるといろんな問題が出てくるのか

それで地下を使おうということになったんですね。
最初にできたのが上野から浅草をつなぐ路線で、現在の東京メトロ「銀座線」ですね。

▲日本初の地下鉄の車両(本物)。国の重要文化財にも指定されている

昔は人力で掘っていた

100年近く前から地下鉄が通っていたのにびっくりしたんですが、当時は地下鉄のトンネルをどのように掘っていたのですか?
模型があるので、そこで説明しましょう。

次ページ:トンネルを掘ってたら「ナウマン象の化石」が出てきた……トンネル掘削の逸話がスゴい

1
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

関連記事

この記事を書いた人

ユウ

東北大学大学院で防災を研究しています。楽しく読んでいたら自然と知識が身につく記事を目指して、私自身も楽しみながら記事を書いていきます。

ユウの記事一覧へ