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ランドマーク税理士法人

▲大きな模型のところに連れてきてもらった。かなり精密な模型(右の写真:地下鉄博物館提供)

まず、地下鉄は基本的に道路の下に作られていました。道路に大きな溝を掘って、トンネルを作って埋めていく方法(開削かいさく工法)です。

▲ミニチュアサイズの重機もかっこいい

交通渋滞の解消が目的だったのに、道路を掘っちゃって大丈夫なんですか?
ずっと溝のままじゃないので大丈夫です。作るトンネルの幅に合わせて、道路の両側に壁を作ったらすぐに覆工板ふっこうばんと呼ばれる「ふた」をするんです。路上の交通をストップさせるわけにはいかないですからね。

▲壁を作ったら、ふたをして車が通れるようにする

その後「ふた」の下を掘っていきます。当時はシャベルとかを使って人力でやってたんです。
えっ、人力! ますます100年前に地下鉄ができたのがすごく感じます。

▲構造物で防護をしながら掘り下げる。所定の深さに達すると、コンクリートで基礎面をならす

ちなみに、昔は掘っていたらナウマン象の化石が出てきてたこともあったみたいで。

▲ナウマン象の骨。他にも縄文土器なども見つかったこともあるらしい

そのときは工事がストップして、学者さんが集まって調査が始まるんですよ。
工事が止まるのは大変ですが、地下ってやっぱり夢がありますね。埋蔵金とか出てきてほしいです。

▲下から鉄筋を組み立てて、型枠で囲む。そこにコンクリートを流し込み、トンネルを作っていく

▲最後に駅の施設を作り、土を埋め戻す。元通りの道路にしていく

ちなみに地下鉄ってどれくらいの深さまで掘るんですか?
場合によりますが、道路の地下1階にトンネルがある、銀座線稲荷町駅や丸ノ内線新大塚駅を例にとりますと、地表からレール面までいずれも6.8mとなります。

▲模型を使って丁寧に質問に答えてくだる

なるほど、そこまで深くないように感じますね。
地下鉄は、浅いところに作るのが基本です。そうすると、建設費が安くなるんですね。掘削量によって建設価格の増減が顕著に出ちゃいます。
なるほど。でも、東京とかだとホームに着くまでにエスカレーターを何台も乗り継ぐような深さの路線もありますよね。
路線が増えるにつれて、それまでの路線とぶつからないように、より深い場所にトンネルを掘るようになっていきます。

そこで登場するのが、シールド工法という工法です。

デカいトンネルを掘る機械は、もちろんデカい

シールド工法は、シールドマシンと呼ばれる機械でトンネルを掘る方法です。現在最も一般的な工法で、モグラのように地面の中を掘っていきます。

▲シールドマシンの模型。先端のカッター(左側の黄色の部分)を回転させて掘り進めていく(左の写真:地下鉄博物館提供)

あっ、丸いですね。
そうなんです。このシールドマシンで掘った穴がそのままトンネルになるので、最初に紹介したような丸いトンネルができるんです。

シールドマシンは、実物がこちらにありますよ。副都心線の実際の工事に使われていた本物のカッターです。

▲シールドマシンと筆者(身長172cm)。とにかくでかい……!

▲手を伸ばしてもてっぺんに届かない

こんなに大きなものが地下を掘ってるんですね。

▲シールドマシンで掘って、これができる

かかる金額もデカいぞ!

シールドマシンの圧力で土をガリガリ崩していくんですよ。ほら、歯の厚さも分厚いでしょう?

▲確かに分厚い

ちなみに、これを見て、何か気づきませんか?
えっ、なんですかね……。

次ページ:「シールドマシン」の驚きのお値段! 地下鉄が「掘れない場所」とは?

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この記事を書いた人

ユウ

東北大学大学院で防災を研究しています。楽しく読んでいたら自然と知識が身につく記事を目指して、私自身も楽しみながら記事を書いていきます。

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