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ランドマーク税理士法人

▲シールドマシンを見て気づくこととは?

実は、相当欠けているんですよ。本当はもっと鋭利なんで、歯がこんなに丸くなっているわけないんですね。鋼材にメタルを焼き付けているので。
なるほど、普通に触れる状態になっているのがおかしいんですね。

▲確かに欠けていたり、丸みを帯びていたりする

これだけ欠けちゃうので、消耗品扱いなんですね。
こんなデカいものが消耗品!
そうですね、歯が持たないから再利用はできません。1回限りです。
ちなみに、シールドマシンっておいくらくらいするんですか?
ものによりますが、億単位ですね。
うわ、規模が違いますね。僕が人生で見てきた消耗品のなかで抜群の高額商品です。

掘りながらトンネルを作っていく

でもこんな大きなシールドマシン、どうやって地下に運んでいくんですか?
それはですね、立坑たてこうと呼ばれる穴を掘って、そこに分解したシールドマシンを運び込んで組み立てるんです。そこから横穴を掘っていきます。

▲穴を掘り、中で機械を組み立てる

▲横に穴を掘り進めていく

本当にモグラみたいだ! これはどうやって進んでいくんですか?
シールドジャッキという装置がいくつもついていて、これで押し出していくんです。

▲シールドジャッキ。突っ張り棒のように伸縮して、シールドマシンを押し出していく

すごい力がかかっているんでしょうね。掘った穴の壁はどうするんですか? 土が崩れてきちゃわないんでしょうか?
シールド工法では、掘るのと同時にセグメントで固めちゃうんです。
セグメントって何ですか?
トンネルの壁のコンクリートのブロックのことです。先ほど見ていただいた実物のトンネルも、いくつかのブロックに分割されていました。

▲確かに継ぎ目がある

セグメントはあらかじめ工場で作っておき、シールドマシンが掘り進む速度に合わせて運び込まれます。こうして、掘削と同時に、トンネルが形作られていきます
シールドマシンが進んだあとは、すぐにコンクリートのトンネルになってるんですね。すごい。

▲堀った土は青いパイプから後方に運ばれていく

「意外とゆっくりなんですね」「いやいやとんでもない」

シールドマシンは、1日でどれくらい掘れるのでしょうか?
1日に10m進みます。
意外とゆっくりなんですね。
いやいや、みなさんドリルとか鉛筆削りみたいなものを想像して「ゆっくりだね」って言いますけど、地下で10m進んで、そのままトンネルができちゃうわけですから、すごい進捗率だと思います。

▲「私はものすごく速いと思いますよ」

確かに人力に比べると圧倒的な進化を感じます。すみません。

「実は私……」大久保さんの電車愛が炸裂

今でも地下鉄は道路に沿って作られているんですか?
基本的にはそうですね。ただ、線路がカーブする必要があるときは民家の下を通らざるをえないことはあります。

たとえば路面電車であれば交差点のなかでも曲がりやすいですけど、地下鉄はそうもいかないですからね。
なるほどそういう違いもあるんですね。
路面電車といえば、最近は路面電車の数が減ってきましたけど、昔は銀座線の地上には路面電車が走っていたんですよ

「路面電車の激しい混雑を解消する」という地下鉄の当初の目的が達せられて、路面電車も人流における重要な役割を担っていたわけです。
なるほど。
これは私の持論なんですがね、路面電車を廃止したからといって渋滞がなくなっているわけではないですからね。個人的には、路面電車をもっと残しておいてほしかったなぁと。
あれ、もしかして、大久保さんって……?

▲「もしかしてなんですけど……」

あぁ、実は私、路面電車のほうが好きでして。

▲「路面電車派なんです」

えっ……。
子どものころから好きなんです。家の近くに路面電車の大きな車庫があってね。もう幼稚園のころから、そこへ電車を見に行ってたんで、いつか都電の車掌になりたくてね

▲大久保さん「切符を車内で売って、発車するときに紐を引っ張ってチンチンって鳴らしてね。都電の車掌さんに憧れていました」

子どものころからの夢だったんですね。
そのまま電車好きが高じて地下鉄の会社に入って、線路を維持する仕事をしてました。それからは線路が好きになったんですが。

富士山よりも見たいものがある

なるほど、そんな経緯があったんですね。大久保さんはプライベートでもよく電車に乗られるんですか?
そうですね、新しい路線ができたら見に行くこともあるんですけど、乗ったらずっとドアのところに立ってしまいますね。
それは、景色を眺めるためですか?
いや、景色より線路ですね。ずっと下を見ちゃいますね

▲景色よりも線路、な大久保さん

新幹線とかでも、基本、富士山が見えるよりは、反対車線が見えたほうがいいかもしれないですね。
日本一の富士山が負けるなんて……。

地下鉄博物館は、1日居られるほど楽しい場所

「地下鉄ってどうやって掘るの?」という疑問からスタートした取材でしたが、最終的には大久保さんの子どもの頃の話まで伺ってしまいました。「開削工法」や「シールド工法」はどれも規模が大きく、圧巻でしたね。

▲シールドマシンの気持ちになれる3D映像。削った土砂が3Dで飛んでくる

ちなみに、大久保さんの話を聞いて、行きでは気にも留めていなかった線路を帰り道にはついつい見てしまう自分がいました。

地下鉄博物館は、時間を忘れて楽しめる場所です。行ってみるときっと新しい発見があるはず。大久保さん、ありがとうございました!

▲地下鉄の運転シミュレーターも体験できる。私は駅のホームの途中で停止して、お客さんを困らせてしまった

地下鉄博物館へのアクセス

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この記事を書いた人

ユウ

東北大学大学院で防災を研究しています。楽しく読んでいたら自然と知識が身につく記事を目指して、私自身も楽しみながら記事を書いていきます。

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