去る2016年12月1日、33の「山・鉾(ほこ)・屋台行事」がユネスコの無形文化遺産に登録され、様々な媒体で話題とされています。
今回はこのニュースについてつらつらとお話したいと思います。
「無形文化遺産」について
ユネスコの「無形文化遺産」は、「伝統的舞踊、音楽、演劇、工芸技術、祭礼等の無形文化遺産を消失の危機から保護し、次世代へ伝えていくための国際的な協力及び援助の体制を確立すること」を目的として指定されるもので、その名の通りモノとして残らない文化を保護しようという制度です。
今回の「山・鉾・屋台行事」の登録は、日本の無形文化遺産登録としては21件目でした。これまでには「能楽」や「雅楽」といった芸能の他、「和紙」や「和食」なんてものも登録されています。
「山・鉾・屋台行事」について
では、今回登録された「山・鉾・屋台行事」とはどんなものでしょうか。
それは各地の祭りのときに、人形などで様々に飾り付けた大きな屋台を引いて練り歩く行事のことです。そのまんまですね。屋台はまったくの飾りということもあれば、上に人が乗れるようになっていて、お囃子(はやし)を演奏したりするという場合もあります。
執筆者の個人的な感覚では「山車(だし)」という呼び名が一番しっくり来るのですが、今回の登録名からは外されているようです。
日本各地で行われていますが、基本的には地域安泰や災い避けの願いが込められた行事のようです。
こうした屋台を使う行事の中でも、伝統があると認められ、国指定の重要無形民俗文化財となっていた33の祭りがまとめてユネスコの無形文化遺産に登録された、というのが今回のニュースの概要です。
ここからは、クイズを踏まえてちょっと踏み込んだところを見ていきたいと思います。
祭り自体の楽しさや無形文化遺産登録によって注目される「光」だけではなく、その裏には歴史や課題といった、普段は目に付きづらい「影」となっている部分があります。
「影」となっている部分を知ることで、きっと祭りの「光」はより「濃い」ものとして体験されるのではないかと思います。