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第2セット、スタート! Final stageへの切符をつかむのは!?

午後からは次なる2時間、第2セットがスタート。問い読みはふくらPとこうちゃんに交代します。

▲配信スタジオの様子

▲戦いはまだまだ続きます

第2セット最初の問題がこちら。

正解は「イオ」。木星の衛星のひとつです。「天体」と聞いて、地球や太陽などの惑星や恒星だけではなく、衛星も対象として思い浮かべられるかがポイントです。

その後も一筋縄ではいかない問題が続きます。たとえば、こちらは国名のリストから「ある法則性」を見出すクイズです。

正解は「歴代の国連事務総長(の出身国)」。正解率が約9%という難問です。

3が「ビルマ」という表記であることから、国名が「ミャンマー」に変更された1989年以前の「何か」を示していることを感じ取れるかもしれません。とはいえ、大人であってもこの問題に答えられる人はどれくらいいるでしょうか。正解者が持つ深い知識を見せつけられました。

どのような問題が出されるか全くわからなかった第1セットと比較して、一部の参加者からは慣れも感じ始めました。

それは同時に、参加者同士の明暗が確実に分かれ始めていることを示唆します。自分が今どれくらいの順位にいて、勝つためにどれくらい正解すればよいのか。絶え間なく出題される問題の合間に、彼・彼女らは考えなければならないのです。

解答締切の間際に、猛スピードでペンを走らせる参加者が目に入ります。きっと脳をフル回転させて、何とか答えにたどり着いたのでしょう。心の中で、思わず拍手を送ります。

第2セット終了の時間が、着々と近づきます。

第2セット終了 参加者は150人→100人に

4時間の激闘を終え、最後の第3セットに進めるのは、ここまでの得点の上位100人のみです。まず発表されたのは、現時点で上位にランクインしている人たちです。

1位は大阪会場の永井雅弥さん。昨年のWHATで準優勝だった実力者の高得点に、QuizKnockメンバーや会場からも驚きの声が上がります。

喜ぶ上位陣とは裏腹に、手を固く組んで祈る人が見えます。ここで落ちてしまったら、早押しはもちろん、このあと用意されている問題も解くことができません。

東京会場の通過者の名前が読み上げられていきます。

私はメモを取りながら、abc(学生を対象とした日本最大級の競技クイズ大会)の予選に参加したときのことを思い出します。

呼ばれるはずはないと思いながら、1つずつ枠が埋まっていくもどかしさ。まだまだクイズは続くのに、次のステージに進めない己の無力さ。どこで同期とこれほど差がついてしまったのか、という情けない気持ち。

しかし、大会で勝てるのは1人だけ。当然、全ての人間が満足のいく結果を残すことなどありえません。せめて、この日のために頑張ってきた人たちが、できるだけ報われますように……。

通過者の発表に、泣きそうな人、友達と喜び合う人、静かに結果を噛みしめる人。

▲3rd dayまで、あと少し!

そして、全ての通過者の読み上げが終わりました。名前を呼ばれなかった人たちは、ここで敗退です。

何とも言えない沈黙の後に、誰かがぽつりと呟いた「駄目だったかぁ」という声。私の近くに座っていた参加者の、寂しそうな背中と、固く結んだ唇が忘れられません。

願わくば、この大会の経験が、今後クイズを続けるきっかけになってほしいと思います。クイズの神様は気まぐれです。けれども、積み重ねた知識はあなたの味方をしてくれるはず。

空席が目立ち、少し涼しくなったかに感じる東京会場。つかの間の休息を経て、参加者は10人を選ぶ最後の戦いに挑みます。

最後のセット、戦いはよりシビアに

第2セットを突破した参加者に、新しいスケッチブックが配られました。「WHAT」仕様のオリジナルデザインで、1825人の中から上位100人に残った証でもあります。

問い読みは山本祥彰と河村拓哉に交代し、上位10人を決める、譲れない戦いが始まりました。

▲配信スタジオの様子

正解率に応じて得点が変わるこの2nd dayのルール。ここから大量得点を狙うには、正解率が低い問題に正解することが重要になります。一方で、この大会を戦い抜いてきた参加者たちですから、思うように差が開きません。そのシビアさが見えたのが、この問題でした。

正解は「バスリリー」。見たことはあるのに、意外と名前が知られていないアイテムです。

正解率は11%。10%以下であればさらに1点加点されるため、正解者からも悔しそうな声が漏れます。ラストスパートをかけるヒリヒリとした駆け引きのなかでは、その1点が必要なのです。

そんな会場の雰囲気をやわらげてくれるのもまたクイズです。意外な切り口のこの問題が、筆者は好きでした。

正解は「メリークリスマス」。(別解:「MERRY CHRISTMAS」「クリスマスの挨拶」)

世界初のSMSは、1992年12月にイギリスの携帯電話会社のエンジニアによって送られました。クリスマスの時期だったということと、何気ないメッセージであったこと、それが今クイズとして出題されることにロマンを感じます。

1問ごとに得られるポイントの重要性が増す最後の第3セット。正解発表のたびに、参加者の感情も大きく現れるようになっていました。合計6時間、歯ごたえのある問題に挑み続けた参加者は、すごいとしか言いようがありません。

Final stageに進む10人が決定!

あれだけ長いと思っていた6時間のタイマーが、ついに0秒を刻みました。会場は拍手で互いの健闘を称え合い、参加者からも安堵の表情がこぼれます。

緊張の結果発表。ファイナリストの名前が呼ばれるたびに、湧き上がる拍手と歓声。そこには、1日ともに戦い抜いた参加者に優勝を託し、送り出す、あたたかい空気がありました。

2nd dayのエンディングでは大会長・河村が1日を振り返ります。

「サテライト会場でお互いに見えないなかでの戦いでしたが、単独正解が阻止されるシーンもあり、正解によってライバルの存在を感じる場面があったと思います。自分のなかで、何百通りもの物語が今日生まれたんじゃないかな

また、山本は「画面を通して多くの人がクイズに向き合っているということが非常にうれしい」と語り、参加者へのねぎらいの言葉とともに長かった2nd dayは幕を閉じました。

2日間の戦いを経て、3rd dayに挑むファイナリスト10人が出揃いました。このなかから優勝を掴み取るのは一体誰なのでしょうか。

次ページ:【ファイナリスト紹介】3rd dayに勝ち進んだのはこの10人

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この記事を書いた人

中川朝子

医学部6年生の中川朝子です。普段は小説を書いたり、美術館を巡ったりしています。中日ドラゴンズの大ファン。文理の架け橋となるような面白い記事を書きたいと思っています。よろしくお願いします!

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