日本の大学において、東日本の最高峰といえば東京大学。西日本の最高峰といえば京都大学です。その中でも難関といわれるのが法学部。
今回は、東大法学部3年のイデマサトと京大法学部3年のサワラの、東西文系最高峰に所属する同級生コンビが、受験の経験や大学生活について語ります。
受験勉強や志望校選択で悩んでいたり、大学生活のイメージがついていなかったりする高校生必見です!
東京大学法学部3年生。首都圏の私立中高一貫校から現役で東京大学文科一類に合格。
京都大学法学部3年生。地方の公立高校から現役で京都大学法学部に合格。
※本対談は2021年4月にZoomを使用して実施しました
東大を志望したのは友だちが欲しかったから!?東大京大の志望理由
――受験を意識したのはいつ頃ですか?
私は高2のはじめですね。高校1年生の時にお世話になっていた高校3年生の先輩が大学生になっているのを見て、自分も2年後には受験なんだなと意識し始めました。
私は高校入学して最初の模擬試験の結果が良くなかったので、入学直後からちゃんと勉強しなきゃいけないなと思い、意識し始めました。中学生の時は全国の同級生と比較する機会があまりなかったのですが、高校生になって初めて全国の人たちの中での自分の立ち位置を理解して、まだまだ頑張らなきゃいけないと思ったんです。
――志望校を東大・京大にしたのはなぜですか?
私の高校からは毎年一定数東大合格者がいるんですよ。身近な先輩が東大に受かっているのを見たときに、東大って意外と目指せるところなんだなと思い、少し身近な存在になったことがきっかけです。
東大を目指したのは、東大でこれが勉強したいというよりは、東大生と友だちになりたいという理由でした。日本のトップの学力を持つ人たちが集まる場所なので、そこで色々な人と話すと面白いのではないかなと漠然と思ってたんです。
また、東大は進学選択という制度によって、入学時に学部を選ばなくてよかったので(※)、やりたいことがなかった私にはぴったりでした。
※東京大学では、1年生は基本的に全員教養学部に入学し、2年間の前期課程を過ごします。前期課程ではリベラルアーツ教育を受け、後期過程で受ける専門教育への準備を行います。
京大にしようと思ったきっかけは覚えていないです。でも、昔からクイズ番組をよく見ていて、ロザンの宇治原史規さんが好きだったので、自然と京大に興味を持ったのかもしれないです。それからいろいろ調べていくなかで、いい大学だなと思いました。
――2人とも法学部生ですが、どうして法学部を選んだんですか?
特別にやりたいことがなかったので、将来の選択肢が少なくならないように、消去法で決めました。
――消去法というのは?
京大の文系は、総合人間学部、文学部、教育学部、経済学部、法学部の5つあります。総合人間学部や文学部はカバー領域が広い分、やりたいことが明確に定まっていない自分には向いていないと思いました。教育にも興味はあったのですが、将来できる仕事の幅は経済学部や法学部の方が広いと思いました。経済学部か法学部かを考えて、数学があまり得意ではなかったので、法学部を志望することになりました。
私も受験のときはやりたいことが決まっていなかったので、入学後の選択肢が多い文科一類を志望しました。
大学入学後に会った多くの東大生と比較したときに、学問を極めていく道は向いていないなと思い、ビジネスの道に進もうと思いました。ビジネスの道に進むなら、法学部か経済学部ならどっちでもいいかなと思い、学問として面白いなと思っていた法律が学べる法学部を選択しました。
受験勉強はコツコツと勉強することの積み重ね
――本格的に受験勉強を始めたのはいつ頃ですか?
本格的に受験勉強を始めたのは3年生の8月ですね。ボート部に所属していて、インターハイに出場したので、インターハイ後から本格的に始めました。
とはいえ、ボート部に入った時点で引退が遅くなるのはわかっていたので、高校1年生のときからこつこつ勉強していました。あと、テスト期間はちゃんと勉強していましたね。引退してからは基礎を固めようと思い、苦手な数学や社会を勉強しました。
高3の8月まで部活を続けていて現役合格したのはすごいですね。私は高2の1月からですかね。部活を引退して勉強に専念するようになったのは高3の5月でしたが、高2の1月には受験モードに入っていました。
それ以前も、テスト前はちゃんと勉強してましたね。特に、英語と数学だけはちゃんとやっておいた方がいいと言われていたので、その2教科はしっかりやるようにしていました。
――苦手科目はありましたか? もしあれば、どのように勉強していたか教えてください。
私は中学生の時から数学が苦手でした。でも、高校の先生からも「受験は数学が勝負だ」と言われていたので、危機感がありました。苦手だと自覚している数学を放置したら合格できないので、課題をやっては復習してというサイクルを回していましたね。とはいえ、数学は最後まで苦手科目でした(笑)。
私も数学が苦手でした。典型問題を暗記するくらい繰り返し、皆ができる問題は間違えないようにしようと思って勉強していました。数学では何とか他の受験生に差がつけられないようにして、他の科目で差をつけられればいいや、と楽観的でした。
――受験勉強のなかで後悔はありますか?
中学校の勉強をちゃんとやっておくべきでした。中学校の数学はちゃんと理解できてなくてもなんとかなっちゃっていたんです。中学校の数学があまりできていない状態のまま、高校の勉強をしてしまって後悔しました。中学での苦手科目はちゃんと克服していた方がよかったです。
高校の範囲に入ってからは、応用の部分をやりすぎてしまいました。基礎がわからない状態で応用をはじめてしまったのでよくわからない。段階を踏んだ学習が必要だったなと思います。
私も基礎から段階を踏んで勉強しなかったことは後悔しました。基礎からやらなければいけないのはわかっていたのですが、基礎ってつまらないじゃないですか(笑)。基礎の問題集をやっても解ける問題が多いから面白くないし、解けない問題があっても知らないだけとたいして復習をしてませんでした。結果として、基礎が固まらないまま応用の参考書に手を出して、時間を無駄にしてしまっていました。
高校時代の後悔は?どの大学にいくかより、そこで何をするか
――勉強以外での高校時代の後悔はありますか?
留学はしてみたかったですね。大学生になってから留学しようと思っていたのですが、今はこのような状況で海外にいけなくなってしまったので。高校生の時に外国に行ってたら、法学部以外の選択肢を選んでいたかもしれませんね。
私も高校の外の世界も知っておきたかったです。私は中高一貫で閉ざされた世界にいたので、学外の高校生向けのプログラムに参加して、視野を広げられているとよかったかなと思います。大学生になるまでそういったプログラムの存在自体に気づいていなかったので、参加しておけばよかったなと後悔しました。
――もし志望校に合格していなかったらどうしてましたか?
私は私立大学にも合格していたので、そちらに進学していたと思います。今思えば、どの大学に行くかよりもそこで何をやるかの方が大事だと思います。受験生のときはどの大学に行くかがとても大事だと思っていましたが、今はそこまで重要視する必要はなかったかなと思います。
私も同じ考えです。私は東大受験後の感触が良くなく、合格発表までの期間とても悩みました。ですが、もう1年受験勉強をするよりは、私立大学に進学して1年間の留学とかをした方がいいなと思ったので、再チャレンジはしなかったと思います。
そうですよね。ただ、周囲の環境は大事だなとは大学生になってからも思います。優秀な同期や先輩がいることで色々な刺激を受けることができますし、色々な情報も手に入ります。そういった意味で京大に受かってよかったなと思いますね。
東大・京大に入るためにいろいろな工夫をしていた2人。
次回は、東大生と京大生が大学生活について語ります! 入学してからの楽しみは? 入学してからのギャップは? 実際の東大・京大生活の貴重な情報に、乞うご期待です!
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