あなたはこんなシーンを見たことがあるだろうか。
青春の一ページ。涙で前が見えない。
では、あなたはこんな疑問を持ったことがあるだろうか。
そう、私は疑問に感じてしまった。疑問を持った以上は計算するしかない。
理系男子の性(さが)である。
計算してみたところ、50mを0.13秒の速さで走ると沈まないらしい……マジ?
太陽が沈むのは自転のせい
中学校でも習った通り、太陽が昇ったり沈んだりするのは地球の自転が原因である。
すなわち、地球の自転に負けないスピードで移動すれば太陽を沈ませずに済む。ランニングマシーンの上で走ると、ずっと位置を変えずにいられることと同じである。
ただし、観測地点によって必要なスピードは変わる。これはなぜか。地球の自転は約1日で1回転する。地軸を中心に地球を1回転する距離は、場所によって異なる。
たとえば、地軸の中心(北極点や南極点)から1mの地点に立っている場合、1日に移動する距離は約6mであるが、赤道直下に立っている場合では、1日に移動する距離は約4万kmにもなる。
※記事公開当初、極点から1mにおける移動距離を約3mとしていましたが、約6mの誤りであったため、修正いたしました。(修正:2023年3月23日)
このように、高緯度地域に行くほど円周の長さが短いので、太陽の動くスピードが遅くなるのである。
すなわち、どの緯度を走るかが、夕日を沈ませないスピードを求める上でのカギとなる。
計算してみた
走る場所と日程は以下の予定とする。
観測地点:東京付近(北緯36度)
観測日時:9月23日(秋分の日)
※太陽が赤道に対して垂直とみなせる
また、地球は完全な球体であり、地上は平坦で障害物はないものとする
必要なスピードは1375km/hと求まった。これは秒速に換算して382m/s。マッハ1.1(音速の1.1倍)に相当する。
何が起こるのか
マッハ1.1は、50m走を0.13秒で駆け抜けるくらいのスピード。飛行機の飛行速度がマッハ0.85であることを考えると、とんでもない速さであることが伝わってくる。
ちなみに、マッハ1.1よりも速く走ると、太陽の沈むスピードに勝てるので、西の空から昇るような太陽が観測できる。『天才バカボン』の世界じゃん。
/
西から昇ったおひさまが東へ沈む〜♪
\
ただ、問題もある。音速を超えて移動する物体の周りには衝撃波が発生する。あなたが夕日に向かって走れば、建物や通行人に衝撃波が直撃し被害をもたらす。貴重な経験と引き換えに何かを失うことは必至。
まとめ
50m走を0.13秒で走ることができれば太陽は沈まない! でも周りに迷惑が掛からないところを選ぼう。
【あわせて読みたい】
【このライターの他の記事】