コジマです。
ブームは過ぎた気がするが、まだお店で見かける水素水。
体に良い働きをする水素を、水素を溶かした水を飲むことで取り込んでいこう、というのが水素水ブームの発端であった。
話は単純、要するに「水に水素を溶かせば水素水」なわけだ。
ネットを拾い読みする限りでは、やっぱり水素水は体にいいらしい。 体に害をなす活性酸素を吸着し、体の酸化を防ぐのだそうだ。心筋梗塞やリウマチ、エイズにさえも効くらしい。
......。
す、すげえ!飲むしかない!
でも、水素水ってお高い。普通の水の2倍くらいはする。学生には辛い。
頭にクエスチョンマークを浮かべた人のイラスト
む、ふと考えると、中学校の理科で水素を作る実験をやったような? 水は水道をひねれば手に入るし、水素と合わせれば自家製水素水が作れるのでは!?!?!?
そうと分かればやることはひとつ。水素を用意しよう!
中学校の理科で習う、水素を生成する方法は2つ。金属に酸を加える方法と、水を電気分解する方法だ。
アルミニウムや亜鉛といった金属に、塩酸や硫酸などの強酸を加えると、水素の気泡が発生する。これを集めるのがひとつの方法だが、強酸は危険なのでシロウトには売ってくれない。
もうひとつの方法は、水に食塩を加えて電極から電気を流すと、負極に接続した電極から水素が発生する(正極側の電極からは塩素が発生)ことを利用する。
水素は水に溶けにくいので、水素の泡は上の方に溜まっていく。これを取り出せば純粋な水素が得られるわけだ。
使う道具を見ても、塩酸よりはどうにか用意できそうだ。これでいこう!
さて、あとは水素を水に溶かせば……あれ、さっき「水素は水に溶けにくい」って言ったじゃん。
そう、水素はほとんど水に溶けないのである。
どのくらい溶けないかというと、水1リットルに1~2mgしか溶けない。1リットルの炭酸水に含まれる二酸化炭素は6~10gだとされるので、重さでいうとその何千分の1ということになる。
そのため各メーカーはあの手この手を使い、なるべく多くの水素を水に詰め込もうと努力しているわけだ。お疲れ様です。
水素水を作るため、水をくぐり抜けてきた水素を集めて水に溶かす……。やってられっかこんなん!
背理法的に攻めてみたが、せっかく水素を集めたのなら他の実験をするのがいいと思う。水素は燃える気体なので、酸素があるところで火を近づけると音を出して燃える。興味があれば酸素がない場所で火を当て、比較してみると面白いかもしれない。