作文のトレーニングになった「ある宿題」
中学生のころ、同世代の登場人物が出てくる小説を読みながら、どんな小説家も一度は中高時代の物語を書いているなと気がついたんです。それ以来、自分もいつか書くかもしれないからと、そのときにしかできないことは何でもしておこうと心に決めました。
特に思春期は学校行事に本気にならないほうがカッコいいという風潮がありますが、その気持ちを捨てて何でもやりました。だから、後悔はあってもやり残したことはあまりないかも。
写真はイメージ
しておいてよかったのは、日記を書くこと。小学校のころ、1日400字くらいで日記を書くという宿題があったんです。でも、小学生の毎日って代わり映えしないのでどんどん書くことがなくなっていって……結局、窓から見える景色だけで400字とか、小さな出来事を大きな物語に引き伸ばして400字とか、そうやって無理やり乗り切っていたのですが、今思えばこの経験がトレーニングになっていた気がします。また、この経験によって作文への苦手意識みたいなものがなくなったことが、読書感想文や大学受験の小論文など、あらゆる場面で役立ちました。
本を通して知る「自分」
自分を知ることができます。たとえば、ある登場人物を嫌な奴だなと感じたら、自分はこういう人を嫌いなんだなとわかりますよね。逆に、悪く書かれているけれど自分は好きだなと感じる登場人物もいるでしょう。
そうした発見を通じて「自分はこういう人間なのかも」と自分を探っていくことができます。周囲や社会から決めつけられる自分ではない自分と、本の中ではたくさん出会えます。
書籍ではほかにも、朝井さんが会社員として企業に務めながら小説を書いていたころの話や、仕事の進めるうえで重要なこと、小説のテーマを決める指針などを紹介しています。また、多くのプロフェッショナルの方々へのインタビューや、「働く」ことにまつわるわかりやすい解説をご用意しています。
続きが気になった方は、ぜひ『君らしく働くミライへ』をお手に取ってみてください!