こんにちは! ライターの森脇です。
最近、天気予報やニュースで「線状降水帯」という言葉を頻繁に聞くようになりましたよね。2014年の広島豪雨の際にこの言葉が注目され、2017年の九州豪雨や2018年の西日本豪雨災害で、さらに一般社会へ広がりました。
どうして「線状降水帯」という言葉を最近よく聞くようになったのでしょうか?
最近よく聞くのは、名前がついたから
実は、この現象自体は昔からあったものなのです。近年の気象レーダー技術の発展により特徴的な降水帯が見られるようになりました。その後研究が進み、「線状降水帯」という名前が付けられました。
2021年6月からは、線状降水帯による「顕著な大雨に関する情報」が気象庁から発表されるようになり、「線状降水帯」という言葉が一気に社会に浸透しました。
線状降水帯はなぜできるのか?
大雨をもたらす原因は、積乱雲です。この積乱雲が連続して発生し、上空の風の影響で帯のように連なると線状降水帯となります。
積乱雲が1つであれば、雲が風に流され、雨は一時的なものになりますが、積乱雲が帯のように連なった線状降水帯の場合、長時間にわたり大雨になります。
線状降水帯はその形成過程・構造によっていくつかの種類に分けられます。今回は、長時間の大雨をもたらし災害に直結する恐れが特に高い「バックビルディング型」について解説します。
以上のようにして、線状降水帯が作り出されます。
線状降水帯は、積乱雲を発達させる水蒸気の供給や上昇気流を引き起こす要因の解消、または積乱雲を移動させる上空の風の流れの変化、のどちらかがない限り消滅しません。
ゲリラ豪雨と何が違うの?
ゲリラ豪雨とは、大気の不安定な状態により突発的に起こる局地的な大雨のことです。1つの積乱雲によって発生するため、狭い範囲で急に激しい雨が降り、1時間ほどでおさまります。ゲリラ豪雨は一時的な大雨をもたらすものに対し、線状降水帯は長時間の大雨をもたらすもので、我々が受ける影響も大きく異なります。
ちなみに、「ゲリラ豪雨」は気象用語ではありません。ですので天気予報では「ゲリラ豪雨」ではなく、「局地的大雨」という言葉が使われます。
さいごに
これから先も「線状降水帯」によって大きな災害が引き起こされることが予想されます。
また、「線状降水帯」による大雨ではないから安心ということはありません。雨が降る原因が何であれ、日常的に防災意識は持っておくことが大切です。