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ライターがイチオシのコンテンツについて語る、毎週金曜お昼の「おすすめの一品」。今週は私、はぶきが担当します。どうぞよろしくお願いします。


私は現在、パイプオルガンを学ぶために東京藝術大学に通っていますが、中学・高校は一貫校で5年間、吹奏楽部でホルンを担当していました。

そこで今回は、当時の思い出が深い、吹奏楽曲の『さくらのうた』をご紹介します。

さくらのうた』は福田洋介さん作曲の、2012年全日本吹奏楽コンクールの課題曲です。

私がこの曲と出会ったのは中学3年生の春。この曲がコンクールの課題曲として発表されたまさにその年で、一度聴いただけですぐにお気に入りの曲になりました。

私が『さくらのうた』が好きな理由は、古くから和歌に詠まれるような「散りゆく儚げな桜」が感じられるからです。例えば、木管楽器の細やかな動きは、風に吹かれてひらひらと舞う桜の花びらのよう。また、それを支える低音域の楽器は、桜の木を支える太い幹や根のように聴こえます。特に曲が盛り上がる場面では、青い空と白い花びら、その陰から覗く緑の若葉のコントラストを音に乗せたような、色鮮やかなイメージが浮かんできます。

しかし、その年は他の課題曲でコンクールに出場することになり、演奏の機会はおあずけになっていました。

というのも、今でこそ吹奏楽界隈で人気の高いイメージがある『さくらのうた』ですが、実は2012年の吹奏楽コンクールでは、演奏する学校は多くありませんでした。

演奏する立場から見ると、『さくらのうた』は一部の楽器のみで奏でる静かなパートが多いので、賑やかな楽曲と比べて小さなミスが目立ちやすい曲です。また、通常は複数人で演奏するメロディをたった1人で演奏する「ソロ」も多くあります。そういった曲調ゆえ、ひとりひとりに高度な音楽能力が求められる曲でもあるのです。

私が『さくらのうた』を演奏できたのは、出会いから2年後。部活動引退前の最後の定期演奏会でした。演奏できたことはもちろん、憧れだったソロも担当できて、とても嬉しかったです。


お花見の時期は過ぎてしまいましたが、『さくらのうた』、今からでもぜひ一度聴いてみてください。課題曲として世に出ただけあって、演奏は簡単ではありませんが、もし吹奏楽部に所属している方がいたら、ぜひ何かの機会に演奏してみてください。

過去のおすすめの一品はこちらから。

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この記事を書いた人

はぶき りさ

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学別科オルガン専修を経て、同大学音楽学部器楽科オルガン専攻2年。世界で何千年も生き続けている「音楽」という文化に、少しでも興味を持ってもらえるような記事を書けたらと思います。よろしくお願いします。

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