「日本人は怒ると〇〇する」?
こんにちは、田村正資です。
いきなり「なんかクイズ出してよ!」と言われると面食らってしまいますね。
私見ですが、クイズというのは出題する側に主導権があるものだと思っています。会話のなかでいきなり「ここで問題です」と言うと、相手はさっと身構える。耳をそばだてて、次にどんな情報が出てくるのかに集中してくれる。
――「問題です」
という言葉には、相手の姿勢を変えるパワーがある。それが面白い。
だから「なんかクイズ出してよ!」なんて相手から言われると、せっかくこっちが「問題です」と言って驚かせてやろうと思ってたのに、先手を取られた気分になってしまいます。
そろそろ本題に入りますね。
僕は他にやることがないときは哲学の研究をしています。そのときやっていることは、偉大な哲学者の言葉を「どんな言葉にも深い意味があるに違いない!」と思い込みながら読むこと。エンドレスで「問題です。この言葉の意味は?」と言われ続けるような作業ですね。
でも、哲学者だって意味深なことばかり言っているわけじゃありません。「絶対深く考えてないだろ」みたいな、どうでもよさそうな言葉もたくさんあります。
▲真面目な考え事をしているように見えて……?
深遠そうな哲学書のなかに垣間見える「偉人の実はどうでもいい格言」も僕は大好きなんです。
では、改めて問題です。
出典は、メルロ゠ポンティの『知覚の現象学』という本です。日本人が登場する箇所で彼が言いたかったのは(ざっくりいえば)次のようなことです。
だから、文化圏が違えば、喜びや怒りなどの感情表現がまったく違った身振りを伴うことがある。
フランス人のメルロ゠ポンティが日本人をいきなり登場させたのは、要するに彼らとまったく違う文化圏の事例があればよかったからで、「日本人」であることは重要じゃありません。そもそも、怒ったときに微笑む日本人を僕はほとんど見たことがありません。
ぶっちゃけ「宇宙人は怒ると微笑する(かもしれない)」と書いても趣旨は変わらないと思います(笑)。そういう意味で「どうでもいい言葉」として僕は楽しみながら読みました。
▲怒っている(かもしれない)宇宙人
もしみなさんも「偉人の実はどうでもいい格言」を見つけたら教えてください。
画像出典(メルロ゠ポンティ):Wikimedia Commons Philosophical Investigations CC BY-SA 3.0 (画像の一部を加工しています)
【前回の記事はこちら】
【あわせて読みたい】