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第2発表者・とむ

語学に堪能な現役東大生。漢字の実力は「変わった漢字が読める」くらいで自信がないようだが、語学的な発想で芸術点を狙う様子。果たして……

私が創作した漢字はこちらです!

「筆」のたけかんむりが「一」になったみたい。
「一(イツ)」に「聿(イツ)」や……。
ひとふで」って読めそう。
読めそうですが「ひとふで」ではないです。とある英単語を語源的な側面から漢字にしました。
こちらの漢字の読みは「サブスク(サブスクリプション)」です!

察しが良い一同「なるほど」「はいはいはい」

動詞だと「subscribe」ですが、この英単語の語源はみなさんご存じですか?
「sub」は「下」?
そう、「subway(地下鉄)」とかの「sub」ですね。
「scribe」は「書く」とか?
そうですね。「subscribe」はもともと、サインを契約書の下に書くことから「定期購読する」とか「チャンネル登録する」とかを意味します。

▲契約書の下の方に署名をする箇所がある

すると、ほら! この漢字は「下(ー)」に「書(聿)」いていることで「サブスク」の意味を表しています。

なるほど〜
そういうアプローチか。指事文字っぽい。

指事:漢字の成立の分類「六書」のうちのひとつ。位置関係など抽象的な概念を点や線で文字にしたもの。ただし、六書の解釈には疑問の余地があると指摘されている。

「刀」の切る部分に点を打ったものが「刃」みたいな。
代表例それなんや。「上」「下」でいいよ。

この漢字の何が良いかというと、そもそも最近はサブスク系サービスがめっちゃ増えてると。そうすると今後もサブスクの話題が増えますよね?
そのときに1文字で表せるのはとても便利ですよね。そして、音読みで「イツ」と読むことで熟語が作れるんですよ。
例えば「音楽配信サブスクリプションサービス」が「音イツ業」になるんですよ。便利!

カタカナであることによって読みやすいと思うんだけどどう思う?
それはその表記に慣れてるだけであって、
漢字2文字にして、1カ月したら違和感が取れます。

外来語を表す漢字を作っていきなり音読みと訓読みの両方を与えることは珍しいのですが、例は一応あります

最近では、「りっしんべん」に「実」でバーチャルという読みの漢字が学会で発表されました。

第10回日本バーチャルリアリティ学会記念大会 大会報告(2005年)より

バーチャルなのに「実」が使われてるのがおもしろい。
英単語の原義に立ち戻るというのも面白かったですし、何より音読みを作って熟語にするというのは大事ですね。

日本で生まれた漢字(国字)のなかで、今も定着しているものって、音読み扱いされる読みがあり、熟語を構成しているものが多いんですね。
へー!
「働」「腺」「鋲」とかがそうですね。「はたらく」という概念を他の漢字で表わせたとしても、「労働」という熟語がある程度広まると、その熟語を表すために「働」という漢字が不可欠なんですよ。
たしか「働」は中国にも逆輸入されてますよね。

漢字知識えぐっ!

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この記事を書いた人

永岡 優

ジャンル「オオカミ」で「超逆境クイズバトル!!99人の壁」に出演するなど。神戸大学大学院の修士2回生で、情報系の研究をしています。日常に溢れる教養を楽しい切り口でお届けします。

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