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解説
正解は「エリザベス1世(エリザベス女王/エリザベス)」でした。イギリスの絶対王政を代表する女王です。
ヒント1:「私はイングランド(国家)と結婚している」
エリザベス1世の生涯には、スペイン王のフェリペ2世など多くの求婚者が現れました。中にはエリザベスが好意を抱いた相手もいましたが、政治的な理由から実らぬ恋に終わってしまったようです。そしてついには「私はすでにイングランドと結婚している」と語り、すべての求婚者を拒むようになりました。
エリザベス1世の死後、彼女が若き日に結婚を考えた相手であるロバート・ダドリーが最後に送った手紙がベッドの脇から発見されました。彼女はかつての恋人が亡くなってからも15年間、その手紙を身近な場所で保管していたのです。国のために個人的な幸福を犠牲にしたエリザベス1世の痛切な気持ちが伝わってくるエピソードですね。
ヒント2:治世下でシェイクスピアらが現れ、演劇が発展
エリザベス1世の治世では、国が栄えたことを反映してイギリス演劇が黄金時代を迎えました。この時代にシェイクスピアをはじめとする劇作家たちが登場し、現在も上演される数々の名作を残しました。貴族らの援助のもと、俳優たちが劇団を結成するようになったのもこの頃です。
エリザベス1世の死後40年ほど経ったころ、当時の政権によって劇場は閉鎖され、イギリス演劇の歴史はいったん途絶えることになります。その後、さらに20年ほどしてイギリス演劇は再び動き出し、装置や音楽の発展などに伴って姿を変えながら発展していくのです。
ヒント3:地球儀を持った肖像画
ヒントになっている肖像画は、1588年にスペインとの間に起きたアルマダの海戦という戦いの後、勝利を記念して描かれたものです。背景にはまさしくこの戦いで活躍したイギリス艦隊と、敗北したスペイン艦隊が描かれています。地球儀に伸びる手は、イギリスこそが新大陸の統治者であるという主張の隠喩といわれています。
当時のスペインは世界に植民地を持つ強大な海洋帝国で、実はイギリスは防衛で精いっぱいな状況でした。さらにこの後、イングランドは経済の不況や作物の不作に見舞われます。これを受け、エリザベス1世はこの肖像画で身に着けている真珠をすべて売り払ったといわれています。国のために尽くした彼女の姿がここでも垣間見えますね。
解説はほとんどエリザベス1世の魅力を紹介するだけで終わってしまいましたが、彼女の治世の政策や外交を追ってみると、決断力と慎重さを兼ね備えていた人物だったように想像されます。人間的な魅力も能力もあるというところが、偉大な君主としてたたえられる理由なのでしょうか。
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