こんにちは。QuizKnock編集部です。
旬のワードをその日のうちに、さらっと解説します。
今日は「オバマケア」について、導入経緯や今後の展望に触れながら解説していきます。まずは、オバマケアに関するクイズを1問どうぞ。
そもそもオバマケアってどんな制度?
アメリカでは、日本のような公的医療保険制度(=国が提供する医療保険制度。日本の場合、国民健康保険)は障害者などの一部の国民を対象としており、多くの国民は対象となりません。
そこで、アメリカ国民の多くは民間の保険に加入しますが、高額な保険料を払えず加入しない人も多くいました。オバマケアは、民間の保険に加入しやすくして、このような無保険者を減らすのが目的です。
民間の保険ですので、元々保険会社は個々に保険加入条件を設定し、保険でカバーする範囲(たとえばHIVは保険対象外にするなど)を決めていました。
オバマケアでは、このような保険加入条件を緩めて入りやすくしました。
また、低収入の家庭には補助金を出し、金銭面でも加入を支援しています。
一見すると素晴らしい改革に思える反面、保険に入らなかった人には罰金を科したり、50人以上が勤める企業では、社員に対する保険提供を義務とするなど、半ば強制的に国民全員を民間保険に入らせるような、厳しい制度とも見ることができます。
オバマケアは失敗?
トランプ大統領は、オバマケアは失敗だったとして選挙戦段階からオバマケア撤廃を訴えていました。
オバマケアが失敗とされる要因には下記があります。
- 年間50兆円ともいわれる補助金が財政を圧迫した
- 加入条件を緩めたため、保険会社のリスクが増え、保険料が高騰した
- 元から保険料を支払っていた層にとってはメリットがないまま負担だけが増えた
- 企業も従業員の保険料金の支払いを義務化されたため、負担が増えた
オバマケアの代替案
本日報じられたのは、「オバマケアの代替案」です。オバマケア代替案成立で無保険の人大幅増 審議に影響も #nhk_news https://t.co/zv2A22tapb
— NHKニュース (@nhk_news) 2017年3月14日
オバマケアにより、国・国民・企業の全てで保険料の負担が増えたので、それをやめようというのが今回の代替案の要点です。代替案には、罰金や補助金の廃止が盛り込まれています。
しかし代替案が実現した際の無保険者の人口を試算すると、来年には1,400万人も増加するとのことで、こちらも反発や議論を呼ぶのは間違いありません。