問題はこちら
前ページ:はじめから挑戦したい方はこちらへ! 以下は問題の答えと解説です
解説
正解は「金星」でした!
▲金星(左右に余白を足しています) Kevin M. Gill, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
ヒント1:上空では自転速度よりも速い強風が吹いています。
金星の上空の大気は自転と同じ向きに動いており、最も速いところで100m/sにも達します。これをスーパーローテーションと呼びます。日本に台風がやってきたとき、平均風速が25m/s以上の風が吹いている地域を「暴風域」と呼んでいますが、スーパーローテーションはその4倍近い速度であることを考えると、とてつもない強風であることがわかります。
▲もう強風オールバックどころの話ではない
また、金星の自転速度は赤道上で1.6m/sであり、スーパーローテーションは自転速度の60倍もの速さで吹いているのです。
スーパーローテーションを含む金星の大気の謎を解明するため、2010年5月にJAXAが金星探査機「あかつき」を打ち上げました。「あかつき」は金星の周回軌道上から金星の大気の動きを観測し続け、2020年4月にはスーパーローテーションが維持されるメカニズムを解明しました。
▲金星探査機「あかつき」の模型 江戸村のとくぞう, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
「あかつき」は現在(2023年12月時点)も金星の観測を続けており、金星における気象学のさらなる確立を目指しています。
ヒント2:自転軸の傾きが180度に近く、太陽系の多くの惑星とは逆向きに自転
太陽系の惑星はすべて同じ向きに公転しており、地球を含む多くの惑星は公転の向きと同じ向きに自転しています。
▲地球は公転と自転の向きが同じ
しかし、金星と天王星は自転軸の傾きが大きく、自転の向きが公転の向きと逆になっています。太陽系の惑星の中でこれらの惑星だけが逆向きに自転している理由については、まだ解明されていません。
ヒント3:「明けの明星」「宵の明星」といった別名があります。
金星は地球よりも内側を公転しているため、夜に見えることはありません。しかし、日の出前や日没後に空を見上げると、ひときわ明るく輝いた金星が見られることがあります。このような、明け方に見られる金星を「明けの明星」、夕方に見られる金星を「宵の明星」と呼びます。
明けの明星と宵の明星が見られるかは地球と金星の位置関係によります。また、見られる時期も毎年異なります。
2023年は7月ごろまで宵の明星が見られましたが、12月の現在に見ることができるのは明けの明星です。だんだんと金星の位置が下がってきていますが、空の低いところまで見えるような場所では3月ごろまで見ることができます。
天体観測といえば、私がまだ小学生だった2012年5月21日の朝、登校前に金環日食を観察したのは懐かしい思い出です。2012年当時、日本で金環日食が見られたのは1987年以来25年ぶりでした。次は2030年に北海道で見ることができるそうです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ぜひ次回の「今日の一問・理科編」にも挑戦してくださいね!
【前回の理科編はこちら】
【あわせて読みたい】