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答え&解説
正解は『バベルの塔』でした。
▲吸い込まれそうな精緻な描写
この絵画は旧約聖書の『創世記』に登場する逸話を由来としています。天空まで届く巨大な塔を建てようとした人々に怒った神が、彼らの使っていた言語を混乱させ、意思疎通を図れないようにしてしまったのです。
バベルの塔のモデルと推察されるのは、実際にバビロンに存在したジッグラト(方形の塔)です。一辺がおよそ90m超、7層にも及ぶとされるジッグラトは、コルデワイというドイツの考古学者によって発掘されました。
『バベルの塔』の作者であるピーテル・ブリューゲルは、寓話的な描写、迷信・民間伝説などを題材に取った作品を多く残しています。彼はバベルの塔の名を冠する作品を2つ描きました。この2つは原画の大きさが違うことから「大バベル」「小バベル」と呼び分けられており、今回出題した『バベルの塔』は「大バベル」の方です。ちなみに、長男のピーテル2世と次男のヤンも高名な画家として知られており、それぞれ「地獄のブリューゲル」「花のブリューゲル」と称されています。
▲小バベルも迫力十分
「大バベル」はウィーン美術史美術館、「小バベル」はボイスマン美術館で見ることができます。
筆者は神話をモチーフとした作品が大好きなので、いつか生で見てみたいですね。
ぜひ次回の「今日の一問・美術編」も楽しみにしてください!
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