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はじめまして! 新しくQuizKnockライターに加わりました、久野倫太朗です。

現在は韓国の延世(ヨンセ)大学校に通っています。

▲延世大の設立に携わったアメリカ人宣教師、アンダーウッドの銅像。定番のフォトスポットです

僕は高校卒業時、「海外に出てみたい」という一心で日本の大学には進まず、半年ほどアルバイトをしながらいろいろな国を見て回りました。その中で「面白そう」という直感で行くことを決意したのが、韓国。

当時は韓国語を勉強したことがなく、挨拶をひらがなで丸暗記しただけの状態でしたが、まず語学学校に入学、その後現在の大学へ進学し、気づけば韓国生活も3年が過ぎました。

日本とは一味違う大学生活のリアルや、住んでいるからこそ見えてくる現地のディープな情報をお伝えしていければと思います!

今回は韓国の大学に通って気づいた、日本の大学生活との大きな違いをご紹介します。

自己紹介は「〇〇学番です」

日本の大学生なら、初めて話す人に「〇〇学部の3年生です」のような自己紹介をすることが多いですよね。

ところが韓国で主流なのは、「24学番です」といった言い方。これは「2024年度に入学しました」という意味です。なぜ韓国の学生は「学年」ではなく「いつ入学したか」を重視するのか?

正門前から延びる、延世大のメインストリート。このときはライバル校・高麗大との対抗戦にちなんだ横断幕が設置されていました(延世と高麗は、日本の早稲田・慶応のような因縁の関係です!)。横断幕には「真理に心を開き……」と始まる、大学の理念を表したスローガン書いてあります

それは4年で大学を卒業する人が少なく、「学年」が意味をなさないことも多いからです。

統計によると、韓国の学生が大学を卒業するまでにかかる平均期間は4年4カ月以上。これは2年制、3年制、4年制の大学全てを含めたデータです。「4年で卒業すること」は、数ある選択肢のひとつに過ぎないといえます。

ではなぜ「4年で卒業」が当たり前ではないのか、その背景にある2つの大きな要因を見てみましょう。

戦略的な休学

1つ目は「休学」の文化です。英語の資格取得や長期インターンシップのため、半年や1年単位で大学を休み、履歴書に書ける「武器(スペック)」を磨くのは、大学生活のごく一般的な過ごし方となっています。

あるいは、心身のリフレッシュのために休学する学生も。韓国は日本以上に「受験戦争」が過酷だといわれます。競争を勝ち抜いて入学した反動から「一度立ち止まって自分を見つめ直したい」という理由で休むことも、周囲からネガティブに捉えられることはほとんどありません。

また学生に限りませんが、韓国には地元以外の国・地域に1カ月ほど住んでみるというカルチャーが根付いています。僕の知り合いでは韓国のリゾート地・済州チェジュや、ヨーロッパへ行った人の話を聞いたことがあります。

▲済州島にある火山。世界遺産にも登録されている

韓国で過ごしていると、日本よりも休学という選択肢がはるかに身近なことに驚かされるのです。

「軍隊帰り」の先輩はそこら中に

2つ目は韓国ならではの大きな要因、「兵役」です。

韓国の成人男性には兵役義務があり、成人年齢の19歳を迎える年に徴兵検査を受け、28歳の誕生日までに入隊(約1年半)することが義務づけられています。兵役を済ませておかないと就職に不利になる……といったデメリットもあるため、男子学生の多くは学生生活の前半で約1年半〜2年の軍務に就くのが一般的。その分、必然的に卒業までの期間は長くなるのです。

▲軍隊での生活

僕の周りでも、入隊を控えた友人が授業に姿を見せなくなる、といったことは珍しくありません。そんなときは仲間どうしで集まって、お見送りのパーティーをするのが恒例です。逆に兵役を終え、復学した友人と久しぶりに会えるのは楽しみのひとつですね。

こうした事情から、韓国では休学・復学の繰り返しがごく一般的です。「一緒に入学した友達と同時に卒業」という日本の常識はほとんど通用しません。「学年」よりも「いつ入学したか(〇〇学番)」がアイデンティティになりやすい、という習慣にも納得がいくと思います。

長く通う学生は“化石(ファソク)”

そんな「4年以上大学にいるのが当たり前」の環境が生んだ、自虐的でユニークな言葉があります。それが「化石(ファソク)」。

なんとなく意味は通じると思いますが、「在学期間が長くなり、気づけば周りが後輩ばかりになってしまった上級生」を指す言葉です。 高学番(入学年度が早い)の学生や、4年以上通っている学生が、周りの後輩たちを見ながら「あぁ、もう化石だわ……」と自虐的に使うことが多いイメージがあります。

▲在籍年数が長い学生は「化石」扱い

僕も大学生活3年目、休学こそしていませんが、徐々に「化石」になりかけているのを感じます……(笑)。


日本の「4年間でやれるだけのことをやる」スタイルと、韓国の「休みも挟みつつ、じっくり自分を磨いていく」スタイル。どちらの学生生活が良いということではなく、そこには両国の社会的背景に基づいた、大学生なりの「生存戦略」の違いが隠されていると感じます。

あなたがもし韓国の学生と話す機会があれば、「何学番ですか?」と聞いてみると一気に距離が縮まるかもしれませんよ。

ミニコーナー:ソウルだより

毎回の記事の最後に、韓国に行った気になれるプチ情報をお届けするコーナー「ソウルだより(仮称)」!

日本と同じく、韓国でも4月になると桜が街のあちこちで花を咲かせます。

▲大学の体育館前の桜

韓国の学年の区切りは日本より1カ月早い3月なので、桜が入学や卒業のイメージと結びついていないのが日本との違いかもしれません。お花見を楽しむ文化はありますが、日本に比べると歌の歌詞に登場したり、モチーフになっていたり、という例は少ない印象を受けます。

とはいえ、桜はどこで見ても綺麗なものです。

最後に韓国語クイズ!

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【画像出典(画像を一部加工しています)】
軍隊での生活:Wikimedia Commons Ilbenalds1234 CC BY-SA 4.0

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この記事を書いた人

久野倫太朗

韓国の延世大学に在学中。好きなものはアメフトとバスケです。所属している延世大学アメフト部は全国二連覇中。韓国に住んでいるからこそわかる、現地の魅力やニュースを発信していきます!

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