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「イギリスってやっぱすごい」こうちゃんが感じた「ユトレヒト条約」

――こうちゃんが歴史を学ぶなかで「この出来事は興味深いな」というものはある?

こうちゃん まぁいろんな角度があるけど、世界史ですごいなと思うのはやっぱ、1713年の「ユトレヒト条約」とかかな。

▲「やっぱね、ユトレヒト条約はすごいよ」

――ユトレヒト条約。

こうちゃん スペインの王位継承をめぐって国際間で起こった「スペイン継承戦争」の講和条約なんだけど、やっぱイギリスってすごい国だなって思うんですね。

もともとはスペイン王の後継者がいなくなって、フランス王室から王を即位させたことにイギリスとかが反対して起こった戦争なんだよね。だから王位継承を争っていたはずなのに、戦争を終結させるユトレヒト条約でイギリスは「フランスからの国王、認めますよ。代わりにこの土地とこの土地とこの土地をください」っていう条件で締結して土地をもらうっていう。あぁさすがだなって。

ユトレヒト条約でよく言われるのが「名をとったフランス、実をとったイギリス」っていうフレーズなんだよね。

▲「イギリスの目的は土地だったのかってわかるわけ」

――王位という「名」をとったフランスと、領土という「実」をとったイギリス。

こうちゃん 世の中は本音と建前でできてるんだなって。特にイギリスは歴史的な戦争において、口実をうまく作ってあるっていうのは、あぁすごいなって。

これだけじゃなくて、いろんな出来事があって今の国際関係があるわけだから、現代の政治への解像度が上がっていく感じがするんだよね。今の自分たちの社会に繋がってることがわかる。

――なるほどね。それでいうと、今こうちゃんのなかで興味のあるトピックってある?

こうちゃん あー、なんだろう。ローマの「記憶の抹消」ですかね。

※ダムナティオ・メモリアエ。名声の破壊、記憶の断罪などともいう

――え、聞いたことがない。

こうちゃん これは古代ローマにあった刑罰で「いなかったことにされる」っていう刑なんだよね。その人が死んだ後に、業績とかを記したものとか、あらゆる全ての記録を抹消するっていう。

▲古代ローマの刑罰にまで興味が及ぶこうちゃん

――そんな漫画みたいな展開あるんだ。

こうちゃん ローマ人って、そういう業績とか誇りみたいなものを一番大事にしてたから、かなり重い刑なんだよね。元老院とかに嫌われてた人たちとかが処せられたりしてて、硬貨に刻まれてた人が消えたりすることもあったみたい。

――後世の歴史学者からしたらたまったもんじゃないね。それはタイムスリップしてでも真相見にいきたい気持ちはあるね。

こうちゃん そうそう、ほかにも歴史って研究が進むことで、最近になって定説が覆るとか、新しいことがわかっていくっていう面白さはあるよね。


中編ではこうちゃんが歴史をもっと好きになり、得意になっていったその過去、更には勉強することや覚えることそのものに対する思いまで語ってもらいました。最終回となる後編では、こうちゃんの勉強に対するより深い思いや、これから学ぶ人へ伝えたいことを聞いていきます。

【後編に続く】

【前編はこちら】

▲こうちゃんの「好き」が伝わる「好きになっちゃう放課後」もあわせてどうぞ!

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この記事を書いた人

志賀玲太

志賀玲太です。東京藝術大学美術学部芸術学科を卒業。なんだかよくわからない記事を書きます。大概のことは好きです。

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