歌詞の世界人口が伝えたいこととは?
今回集めた207曲の歌詞を読んで、世界人口を用いることで「その曲が伝えたいこと」を筆者の独断と偏見で分類してみた結果がこちらです。
そう、世界の何十億人もの人の中から、あなたという存在に出会えたことが奇跡なのです。それぞれの分類とともに、特徴的な歌詞を紹介していきます。
1位「出会えた奇跡」(40.9%)
最も多かったのは、「出会えた奇跡」系。3曲に1曲以上が、この文脈で世界人口を使用しています。冒頭で紹介した松下洸平さんの『涙の中に君がいる』もこれですね。有名な曲では、DAIGOさんが結婚する際に製作したプロポーズソング『K S K』もまさに「K S K(キセキ)」を歌っています。
このジャンルでは、1対1の出会い(特に恋愛における)が多かったですが、仲間との出会いを描いた楽曲もあります。
世界人口は増えているので、出会いの希少性もどんどん高まっているわけですね。
2位「オリジナリティ・多様性」(15.4%)
次に多かったのが、「オリジナリティ・多様性」。世界にはたくさんの人がいて、人それぞれ、私はわたし、ということを歌っています。
3位「人類の数に対する対象の小ささ」(5.8%)
個人という小さな存在を表現するために、世界人口という大きな数字を対比として使っています。
やはり世界人口が増加するにつれて、対する個の割合が年々小さくなっていくことになります。「ちっぽけな自分」を教えてくれるのも、そんな私たちに寄り添ってくれるのも、音楽なのです。
3位「未来・平和への希望」(5.8%)
世界のみんなが幸せになるような、祈りをこめた歌詞も多く見受けられました。なかにはこんな歌詞も。
全世界の人たちで手をつなぐような描写は、この他にも何曲かの歌詞で見つけました。
ちなみに、70億人が手をつないで輪になると、円周はだいたい地球175周分になります。残念ながら全員で1つの輪になって踊ることはできません。地球って狭いんだなぁ。
4位「人の多さ」(2.9%)
ストレートに「世界にめちゃくちゃ人がいる」ということを表現するものです。
その他(29.3%)
歌詞が表現するものは多岐にわたっていて、今回の分類では判断するのが難しかった曲が多くありました。代表的なものが冒頭でも触れた、乃木坂46『シンクロニシティ』です。この曲のように、世界中の人と何かを共有したり、何かを一緒にしたり、という場面描写で世界人口が描かれる傾向がありました。
あなたとの出会いは奇跡です
この先、世界人口は増え続けますが、増加率は低下し、2080年代に約104億人でピークを迎えると予測されています。その頃からまた描かれる人口が減っていくと思うと、2060〜2080年にたくさんリリースされるであろう「100億」曲が楽しみです。それが最大値になるのでしょうか。
移りゆく時代のなかで、この時代この瞬間に、いまあなたという読者に出会えたことは奇跡というほかでもないのです。ありがたいありがたい。
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