こんにちは、縄手です。
眠っている間に心臓の拍動や呼吸が止まってしまわないのはどうしてでしょう。
みなさんも幼い頃、一度は考えたことがありませんか?
今回は「眠っている間になぜ心臓や呼吸が止まらないのか」を解説します。
心臓や呼吸を担当する「脳幹」
人間の体を管理しているのは脳です。脳には大きく分けて3つの部位があります。
1つ目は、脳の大きな部分を占める大脳です。思考や感情をはじめとした様々な役割を担当しています。2つ目は小脳で、後頭部に存在し、運動やバランス感覚などを担当しています。3つ目は、人間の生存に欠かせない基本的な身体機能を担当する脳幹(※)です。脳幹には、心臓を動かし血液を循環させる心臓中枢や呼吸を司る呼吸中枢などがある延髄などがあります。
※広義には脳幹に視床・視床下部といった間脳も含める
大脳を植物の枝や葉のようなものとしたとき、脳幹とは読んで字のごとく、幹にあたる部分で、脳の中心にあり、脊髄(※)と大脳をつなぐ役割を果たしています。
※脊髄とは背骨に沿って存在する管状の神経である
脳幹は眠らない
ここからが本題です。脳幹は睡眠中でも働き続け、身体のいろいろな場所に必要な命令を出しています。そもそも睡眠も脳幹からの命令でコントロールされていて、その時々に必要な量の休息を得られるようにしてくれているのです。
脳幹からの命令は自律神経によって身体の必要な部位に届けられます。自律神経とは自分の意志では動かすことのできない血管や消化器などに作用する神経のことです。
心臓には刺激伝導系というシステムが備わっており、自動で拍動をすることができます。ですが、延髄(※)の支配下にあるのは変わりません。心臓は自律神経を介して拍動の回数や収縮の強さなどを調節されているのです。
※場合によっては延髄よりさらに上位の視床下部と言われる部位が調節している
呼吸の場合、普段何も意識していないときや眠っているときは、延髄からの命令で自動的に呼吸するようになっています。また、深呼吸など、自分の意志で呼吸に使う筋肉を動かすこともできます。よくできた仕組みです。
おわりに
寝ている間も心臓や呼吸が止まらないのは、人間の意志とは無関係に生存に必要な機能を行ってくれる「脳幹」や「自律神経」のおかげなんですね。逆に脳幹がひどく傷つくと生存に必要な機能が消失し、生物は死んでしまいます。人間の体って面白いですね。