2人目の先生:シャカ夫
お次は今回の企画の発案者、シャカ夫の抜き打ちテストです。すでに様子がおかしいですが、果たして受験者を幸せにすることができるのでしょうか?
この時間、昔を思い出すからけっこう楽しいんだよな~
「ガラガラッ……」
はいはい、授業の時間ですよ~っと。
シャカ夫先生ですよ~。じゃあ、理科の授業始めていきましょうね~。
白衣着てるし、いかにもな理系の先生だ。
こういう独特な雰囲気の理系教師ってまれによく見ますよね。
はい、じゃあ出席とるよ~。志賀~!
はい!
須貝~!
いませ~ん!
はい、いるな~。最後、山本~!
はい!
全員いるな! 理系はこの3人だけだからな~。
残りの140人は全員文系だからなぁ。
いや、偏りよ!
もはや、理系の授業が開講されてるのが不思議なレベル。
先生はひとりで、たった3人の理科科目すべてを支えて、面倒をみてきたんだよ!
だからもう、きみたちのことは勉強からプライベートまですべて理解している!
もう本当に、きみたちが可愛くて仕方がない!!
この先生の距離感、ちょっと嫌やな……。
「存在しない過去」を差し込まれてますからね。
シャカ夫先生が、「長い間面倒をみたつもり」になってるだけ……。
理系が3人しかいないの、この先生がいるからじゃない……?
もう一度言うが、かわいいきみたちのことは何でもわかる!
だが、わかってしまうのは「いいこと」だけではない……。
きみたちが最近たるんでることもよく知ってるんだよ……!
あ~、まあ言われてみれば……?
そんなきみたちの、気を引き締め直さないといけない!
そこで……
え……?
ウソでしょ……?
おいおいおい……。
さっき見たけど?
ここから逆転あるか?
「抜き打たず」かもしれん……!
抜き打ちテストだなッ!!
「抜き打ち」だったか~!
企画のコンセプトが明かされた後だから、もう「抜き打ち」でもなんでもないんだよな……。
きみたち、ちゃんと日々の勉強や復習をしているか?
さ、最近クイズが忙しくて……。
まあ……クイズは本業だからな~。
この人、色々と知りすぎて逆に理解があるの不気味だな。
でも、「今」の本業は勉学だ。今回のテストで気を引き締め直してくれ!
きみたち、とても嫌そうな顔をしてるね!
なんで抜き打ちテストが嫌なのか、それは……
「心の準備」ができてないからだ! 何事も、気持ちの備えが大事なわけ!
それは一理ある。
だから、今からきみたちには「心の準備」ができるおまじないを教えよう。
「全然勉強してないわ~」だ!
これを言えば心の準備も万端だな!
いや、テスト前言うやついるけど!
なんか納得いかんな……。
先生に続いて唱えなさい! 「全然勉強してないわ~」!!
全然勉強してないわ~。
声が小さい!!
怒鳴る理由がキショすぎる……。
先生主導で何やってんだ。
あと、もっと心の準備ができるように、五角形の「合格鉛筆」も用意したからな!
全然うれしくない……。
各面に数字が書いてあるのは、どうしてです?
選択肢問題で迷ったらサイコロ代わりに使うんだ!
余計なお世話すぎる。
先生~! ちょっとすごいことに気づいちゃいました~!
五角形なせいで出た面が何かわかりません!!
うるさい! 「左の数字」って決めておいたらいいだろッ!!
もうめちゃくちゃだよ~……。
じゃあ、心の準備ができたところでテスト配るぞ~。
先生、これは……?
先生が考えたポエムだ! テストに臨む君たちを激励したくてな!
気持ち悪さがとどまるところを知らない。
須貝先生は自然でよかったなぁ……。
自分的には「知識の種~」の部分がお気に入りだ!
じゃあ、テストも配り終えたことだし、はじめ!
いつも言ってるが、このクラスのテストはレベルがめちゃくちゃ高いからな! でも、普段の授業ちゃんと聞いてたら大丈夫だから!
クリックしてテスト問題を開く!
たしかにめちゃくちゃ難しい、高校レベルじゃない……けど、あれ?
あれ、なんか解ける! 解けるはずないレベルなのに!
もしかして、この問題って……?
う~ん、シャカ夫先生の理科、やっぱりシャレにならないくらい難しいな……。
「アインシュタイン方程式」なんて大学レベルじゃん。物理が得意な須貝くんと勉強するか……。
……だいたいこういう感じやな!
ありがとう、須貝くん!
でも、シャカ先の授業で難しいの、物理だけじゃないからな~。
そうなんだよね~……。だから一応、生物や地学で重要そうな事項もおさえてみたんだけど……。
お、いいじゃんいいじゃん! あとで山本にも教えてやろうぜ!
……っていう感じで勉強してみたんだけど!
あ~、アオリイカの雄雌の見分け方はテストにも出そうだね~!
…………
…………
(理系クラスの授業、ちょっと難しすぎない……?)
(あの時、私がまとめたのと全く同じ内容の問題だ……!)
先生、さっきから言ってるでしょう?
きみたちのことなら「なんでもわかる」って!!
友達同士の勉強会まで……!?
いや、たしかに「勉強したのがテストに出る」っていうのはうれしいんだけどさ!
もはや、キショさとは別の次元に到達しようとしてない?
どうしたんだきみたち、自信満々じゃないか! もうテスト終了でいいかい?
ここまできて白々しすぎる。
じゃあ、テストは自己採点にするぞ! 答えはもう「配ってる」からな~。
は……?
まだ配られてないけど?
志賀、机の裏見てみろ~。
え、もしかして……。
あっ……!
ちょっとちょっとちょっと~!
模範解答じゃ~ん……!
須貝は椅子の裏を見てみろ~。
おいおいおい……。
僕のは机にも椅子にも貼られてないけど……?
山本はな……
ポケット見てみろ!
……本当に言ってる?
山本お前……やられとるやんけ!
シャカ夫先生、教師以外に向いてることあるのでは?
じゃあ、各自採点終わったらあとは自習だ!
こんな後味の悪い自習の入り方ある……?
受験者の評価
キモかった……マジで。
たぶん一切悪意はないんだろな~ってところがきつい。
そもそも、抜き打ちテストですらなかった。
「生徒を理解しきっている先生」という斬新な設定を演じたシャカ夫。彼の思う「幸せ」が独りよがりすぎたのか、3人を不快にさせてしまうという残念な結果となりました……。
最後は私の抜き打ちテストですね。全員を幸せにして、シャカ夫がつくった悪い流れを断ち切ってやりますよ……!
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