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株式会社JERA

3人目の先生:志賀玲太

最後に抜き打ちテストを実施するのは、東京藝大出身の志賀! すでに幸せな面持ちをしていますが、生徒3人も幸福の境地に連れていくことができるのでしょうか!?

もう、学ランにもだいぶ慣れてきましたね~。
でも、どうせまた抜き打ちテスト受けさせられるんでしょ? もう嫌だよ……。
抜き打ちテスト……? 志賀先生がそんなことするわけないだろ!
なんでまだ役に入り込めてるの?
ごめんよ遅れて~!
あ、先生来た。
ちょっと最近、制作の方が立て込んでてな~。
美術の先生だ!
さすが、板についてるな~!
もう今年度も終わりになるけど、この1年間でお前たちとは色々楽しいことができたな!
みんなで美術館行って作品を鑑賞したり、動物園に出かけて写生大会をしたり……
僕ら、いい経験してたんだな~。
▲見るからにいい授業をする先生
このクラスが3人だけだったおかげで、ほんと自由に楽しく授業ができたなあ。
このクラスもかいっ!
残りの100人以上を担当しなきゃいけない音楽の先生が気の毒。
でもな、先生ひとつだけ忘れてたことがあるんだよ……。
「……え?」
学校には、学習指導要領っていうのがあるみたいで……。
あちゃ~、満たしてなかったのか~。
自由にやりすぎちゃったんだね……。
だから、今日は本当に突然で悪いんだけど……
あっ……。
まさか……?
パターン入ったか?
まだ逆転の芽は残されてる!
今度こそ抜き打たずであれ! たのむ!
もちろん、抜き打ちテストだなっ!!!
「「「やっぱりか~~~~……!!」」」
抜き打ちテストも3科目になってくると、もう期末と変わらないな。
ていうか、美術の抜き打ちテストって何!?
怖すぎるんだが……。
じゃあ、テストと「筆記具」を配るぞ~。
クレヨンタイプの色鉛筆……?
なるべく、書きやすいやつをチョイスした!
嫌な予感しかしない。
じゃあ、用紙を裏返して問題を見ていいぞ~。

クリックしてテスト問題を開く!

うわ……
えっっっっっっっっっぐぅ!
▲いわゆる「勉強だけでは解けないテスト」に苦い顔
こんな、センス全振りのテスト見たことない……。
藝大の入試やん。
どうした、お前たち?
こんなの、今の気持ちをそのまま絵に込めればいいだけじゃないか~!
くそ~、この先生天才タイプだから俺たちの苦しみが伝わらんやつだ!
厄介だなぁ……。
▲ともかく、やるしかない
本当に何描いてもいいんですよね?
著作権に引っかからない限り大丈夫だ!
コンプラ対策もばっちりだ……。
よし、じゃあテスト回収するぞ~。
いや~、なんとか描きはしたけど……。
一体どうやって採点されるんだ……?
今からテストを返していくわけだけども……
先生は、うれしい……!
な、泣いてる……?
絵1枚から、その人の心ってわかるものだと思う。
それが、みんなの絵からありありと伝わってきた!
▲すでに感情がクライマックスの志賀先生
お前たち、成長したな……!
先生、スイッチ入ってるな。
じゃあ、シャカ夫から返すぞ。
シャカ夫、これは……トンボかな?
は、はい!
(本当は寄生バチのつもりだったけど、話がややこしくなりそうだからトンボでいいか……)

寄生バチ:ハチ類のうち、他の昆虫やクモに寄生するものの総称。シャカ夫はアブラムシに子どもを産みつける寄生バチをイメージして描いた。

お前、生物好きだもんな。
シャカ夫、お前わかってるよ! 芸術と博物画は切っても切り離せない関係にあるもんな!
お~!
なるほど、そういう視点があったわけか。
(適当に描いただけなのになんか褒められてる……!
古くから人類は、どうやって自然を絵として表すかに向き合い、その過程で美術という歴史を紡いできたと言ってもいい。それをシャカ夫はよくとらえてる。
自然と芸術の交わり、今そこに立ってるのがシャカ夫ってことだな!
めっちゃ褒めてくれる~~~~!!
しかもこれ、絵の中にさらに標本の枠を描いているだろ? 画中画っていうのはすごくテクニックが要るんだ。ラス・メニーナスとかわかるか?

ラス・メニーナス』:ベラスケスの絵画作品。たくさんの絵画が飾られた一室が描きこまれている。

それを抜き打ちテストでさらっとやってのけるなんてすばらしい! 文句なしの100点だ!!
あ、ありがとうございます! めっちゃうれしい!!
この形式のテストで100点!?
志賀先生、「褒め」の手数が尋常じゃないな。
次は、山本!
これは……うまそうな豆腐かな?
「今の気持ち」と聞いて食べたいものを描いてくれた素直さがうれしい! そして何より、構図がいいな、構図が!
あ~! あ~!(突然の褒められに喜びすぎて言葉が追いつかない)
下に豆腐をどんと据えて、それを囲む構図……
デザイナーの素質があるかもな……!
うわ~!(歓喜の叫び)
山本、お前理系だったよな? やっぱり進路考え直してみないか、デザイン科とか……?
▲喜びのあまり自分の本業を忘れかける山本
え、ほんと!? あり!? ありかな!?
完全にのせられてるな~。
お前の本業はクイズやろがい。
豆腐の枠線に使った「黒色」という重い色を無意識に下に配置しているだろ?
上になるにつれ軽く、鮮やかになっていく……これを瞬時にできるのは天才だよ! 文句なしの100点!!
え、ほんとだ、すげ~~~!!
自分で描いたんやろ。
最後は須貝だな。
ついに俺も!? めっちゃ楽しみ!
須貝らしい心象風景を表現してくれたな!
まず、ふつうにすごくない……?
アドリブでぱっとこのイメージが出てくるの、ちょっと怖いまである。
▲奇才・須貝に飛び出す褒め言葉とは……?
人を情熱的な赤色で表現しているな! まるで今の須貝を見ているようだ……。
ありがとうございます……!!
こんなに様々な色を自在に使えるなんて、カンディンスキーの生まれ変わりかもしれないな……!

カンディンスキー:ロシア生まれの画家。多様な色彩を抽象的なモチーフに落とし込んだ作風が特徴。代表作に「コンポジション」シリーズなど。

▲カンディンスキーの生まれ変わり
この先生、褒めの引き出しが無限なのか……?
さらに言うと、カンディンスキーは「黒」という色を「もっとも響きのない色」とも記述していたらしい。使うのが難しい色なんだろうな。
でもお前の黒……響いてみえるぞ?
▲カンディンスキー越え
いや~……こんないい絵にはなかなか巡り合えな……
あっ……!
え、ウソでしょ!?
先生が倒れた!?
す、スタンダール症候群……!?

スタンダール症候群:美術的に価値の高い作品を鑑賞したときに起こるめまいなどの症状のこと。上を向きすぎて頸部の動脈が圧迫されることが原因ともいわれる。

あ、あまりに絵が良すぎて失神するところだったぞ……!
実際に発症してる人初めて見たな。
こんなの、100点以外ありえないな!!
ありがとうございます!! くるとわかってても、褒められるとこんなにうれしいの!?
病みつきになりそう。
これからも、その芸術的な視点を育んでいってくれよ!
これで、授業は以上だ!

受験者の評価

テストとしては最難関だったからこそ、褒められた時のカタルシスが最高だった。
僕が近々デザインの道を進むことになったら、志賀先生のせいだと思ってください。
これ、毎週やりましょう。学習指導要領に組み込みましょう。

ほとんどアドリブにもかかわらず、美術知識を武器に受験者を褒めちぎった志賀先生。3人は終わった後もしばらく恍惚の表情を浮かべ、山本さんに至っては人生を狂わされかけていました。

優勝者発表!

「幸せな抜き打ちテスト選手権」、全員の先生がテストの返却を終えました! 果たして、もっとも受験生を「幸せ」にしたのは誰なのでしょうか?

順当にいくと、志賀先生かなぁ?
いや~、須貝先生の優しさもしみたけどね。
いや、生徒のことを理解していた僕こそが……
それだけはないな!
……は?
じゃあ、生徒役に徹してくれた山本さんに決めてもらいましょうよ!
え、僕ぅ!?
山本、誰の抜き打ちテストが一番「幸せ」やった?
え、え~~~と………。
僕のですよね、山本さん?
山本さん、誰なんです?
ヤマ!
山本さん!
…………
…………
「……………………」

読者投票!

生徒役の山本が「幸せ」というものがわからなくなってしまったため、代わりに読者の皆さんに誰の抜き打ちテストが一番幸せだったかについてアンケートを取ります!

一番得票数の多かった先生が優勝者となりますので、どしどしご応募ください!

※投票は締め切りました。たくさんの投票ありがとうございました。

投票結果発表!

6,000票以上もの投票の結果、一番「幸せ」なテストを出題した先生がついに決定しました!

「幸せな抜き打ちテスト選手権」、その栄えある優勝者は……

芸術知識を総動員する圧倒的「褒め」を繰り出した志賀先生が、有効票の7割以上を獲得して圧倒的な勝利をおさめました!

優勝した志賀より、コメントをいただきました。

投票いただいた皆さんありがとうございます。

とは言っても幸せの形は人それぞれ。須貝先生のホスピタリティに元気をもらった生徒もいれば、シャカ夫先生の情熱で学問に目覚めた生徒もきっといることでしょう。知らんけど。

また教室でお会いしましょう。

皆さんも一度、自分がもつ全ての力を使って何かを褒めてみると、意外と良い経験になるかもしれませんね。


これから皆さんも抜き打ちテストを受ける機会があるかもしれませんが、今回の先生たちの創意工夫を思い出して、楽しく積極的に取り組んでみてください。その経験は、きっと心や頭脳の糧となるはずです!

まぁ、今回みたいな抜き打ちテストには一生お目にかかれないでしょうが……。

それでは。

撮影:めーあカタヤマ
編集:チャンイケ

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この記事を書いた人

シャカ夫

京都大学出身。クイズと毒とホラーが大好き。見るだけで世界が広がるような知識を皆さんにお届けできるよう、日夜頑張ってまいります。

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