「四つ葉のクローバー」という概念がある。
幸福の象徴。見つけた者に幸せをもたらす、4枚の小さな葉っぱ。珍しい。見つけるのが難しい。だから、尊ばれる。
では――実際、「四つ葉のクローバー」は、どれくらいの頻度で出現するのだろう?
気になって、しまった。
おはようございます! ライターの大野です!
気になりすぎて調査にやってきちゃいました。こちら、東京タワーを望む、港区・芝公園です。よーし、数えるぞ!!!
……待って。これめっちゃ大変。そして暑い。死ぬ。
社内チャットで救援要請をします。
24名のリアクション。さすが我らがQuizKnock。みんな好奇心旺盛です。
このあと色々あって、結局、10名のQuizKnockメンバーが駆けつけてくれました。
暑い盛りだというのに(※取材日は7月某日)はるばる集まってくれたメンバーは以下の通り。
みんな気合十分です。これならきっと、並みいるクローバーたちの数も正確に数えられることでしょう。
さっそく説明を行います。
今回のミッションは正確性が命。集まったメンバーたちの間で、数え方を統一します。
ここで、読者の皆さまにも今回のレギュレーションを説明しておきましょう。
単純に四つ葉のクローバーを探し回るだけでは、分母となる「三つ葉のクローバーの数」を正確に測定することができません。そこで今回は、はじめに領域を決め、その範囲にあるクローバーを全て数えるという方法を用いることにしました。
具体的には――まず、クローバーが多く生えているところに目星をつけ、50cm四方の地面を二重のひもで囲います。
これでひもの内側に入ったクローバーを数えればいいわけです。四角形のうち数えた部分については、二重のひものうちの一本を使って区切ることで区別します。ひものうち一本を、四角形の中にだんだん追いやっていくイメージですね。
少しずつ少しずつひもを内側へ持っていき、ひたすらクローバーを数えていきます。もちろん、四つ葉かどうかをチェックするのも忘れずに。30分から1時間ほどで、1つの枠が数え終わります。
この枠には782本のクローバーがありました。なお、四つ葉はゼロです。
以上、説明終了! 散れっ!
こうしたクローバーたちと向き合いながら、ひたすら数えていきます。
隊員たちの声を聞いてみましょう。
『番町草屋敷』の世界に呑まれてしまった隊員もいますが、調査は続きます。
虫さんや鳥さんと仲良くしながら、地面に這いつくばること2時間。
喜びの声を上げたのは、奇しくも東京タワーについての記事を執筆した鞠乃さん。それもなんと、四つ葉を飛び越えて五つ葉のクローバーの発見です。
うん。嬉しい。嬉しいんだけど……今回の調査の目的は「四つ葉のクローバーの出現率」なわけで。
ものの数分後、鞠乃さんが再び声を上げました。なんと、五つ葉と同じ枠の中から四つ葉が発見されます。これには調査隊一同びっくり。
引っ張ればギリギリ同じ画面内に収まるくらいという、すごい状況です。
発見場所はこのあたり。日陰と日向の狭間です。朝露か何かで、全体にやや湿っているのが印象的でした。
こうして、3時間に及ぶ調査が終了しました。
10名の調査員が血眼になり、31個の枠内にあるクローバーたちを丹念に数え上げた結果がこちら。みんなありがとう。
1つの枠あたりのクローバーの数の分布はこちらの通りで、300本~350本がもっとも多かったですが、750本以上が含まれている枠も複数ありました。
以上を合計し、今回数えたクローバーの総数を求めます。
三つ葉のクローバー、12356本。
四つ葉のクローバー、1本。
五つ葉のクローバー、1本。
よって、結果は――
おおよそ6000本に1本の確率で、4枚以上の葉を持ったクローバーが出現する、ということになりました。
500万本以上のクローバーを数え上げた海外の報告によれば、四つ葉の出現確率はおおよそ5000本に1本ということなので、おおむね一致した結果が得られています。こんなニッチなテーマにも先行研究があるなんて、世界は広いですね。
なお。「四つ葉のクローバーができる理由」については、過去に記事が出ています。
こちらによると、踏まれたりすることで出現することが多いそうで。確かに、公園の管理者の方が「この辺に多いらしいよ」とおっしゃっていたのも、道と広場との境界部、人通りの多そうな場所でした。
今回はひとつの公園だけでの調査でしたが、そのあたりも踏まえて他の場所とも比較調査をしてみたいものです。
もしくは――この記事と同じレギュレーションで、お近くの公園などで数えてくださる方がいらっしゃれば、もっと正確な統計が取れるかもしれません。
もしも、万が一、やってみたよという読者の方がいらっしゃいましたら、Twitterのハッシュタグ「 #QKクローバー調査 」までご報告いただけると嬉しいです! みんなの力でクローバーを数えましょう。目指せ100万本!
なお、まだまだ新型コロナウイルス感染症の情勢は予断を許さない状況です。お出かけの際には、くれぐれもお気をつけください。
さて、今回の研究をこのようにまとめてみました。ありふれた疑問も、ちゃんと自分で調査したり実験したりすれば、立派な自由研究に早変わり。ほら。
さすがに1時間でとはいきませんでしたが、このように調査結果をまとめることだってできました。
今回の調査で、僕が得た学びはふたつ。
ひとつは、四つ葉以上のクローバーの実際の出現率。6000本に1本くらいしか現れないなんて、そりゃあ幸せの象徴にもなるわけです。
そして、もうひとつ。たまにはスマホを放り出し、キーボードから手を離して、外で自然と触れ合うのは、とっても楽しいってことです。
読者の皆さんも、たまにはお近くの公園で遊んでみるのはいかがでしょう?
次に幸運が舞い降りるのは、あなたのところかもしれません。