4人目:伊沢拓司
肩書:クイズプレイヤー、得意ジャンルは「すべて」。トリを飾る伊沢拓司は、果たしてどんな角度から切り込むのか?
披露!
………………
…………………………
(何が起きてる……??)
(???)
……………………………………
(シャインマスカット食べたいな……)
…………今!!
うわあいきなり喋った!!
何してました? 皆さん。
「何か」が発生してましたよね?
…………。
…………時給。
時給も発生してるけども!!
待ち時間でしょうよ。
忙しない現代社会にあって私が守りたいもの、それは「待つこと」。
なんとも曖昧な。
歴戦のプレゼンターとはいえ、そんなものの価値を示せるのか……?
…………エー皆さん。さっきはしびれを切らして? スマホで何か情報を摂取しようとしていたでしょう〜。
ンフフフ、現代人はこれだからダメなんですねェ〜。
さっきから何故、『古畑任三郎』みたいな喋り方??
大事なものを失い続けていることに、今皆さんは気づいていなかった!
……まず、待ってみましょうよ。
メイドインワリオの指示???
ゲーム『メイド イン ワリオ』:「とべ!」「いれろ!」といった指令を受けて、制限時間5秒ほどのミニゲームに挑むのがお決まり。
……忘れてしまったんです、皆さんは。スマートフォンがなかった時代、手持ち無沙汰なとき何をしていましたか? きっと待っていたでしょう。
そしてそこにあるシャインマスカットの話をしたりシャインマスカットの味を思い出したり、そういうことをしていたはず!!
▲「……もぐもぐ」
ほら、食べてる。人が話し終わるまで、シャインマスカットを食べるのを待つこともできてない。待てなくなってるんです、現代人は。
そこまで言わなくても。
「待つ」という行為が抱えてしまっている悲しみを取り払いたい。
いやでも、アプリが立ち上がるまでのロード時間とかって虚無ですよ。
テストの答案用紙が配られてから開始の合図があるまでの、何もできない数分間の苦しみたるや。
実験がうまくいったかもわからず、結果が出るのを指をくわえて待たねばならない、あの拷問のような時間を知らないのか……!!
まあ待ちたまえ、待つことはとっても素敵なんだ。たくさんの効用がある。
たとえば、会話の中で「待ち」の時間を作る。
………………しっかりと、
「間」をとって……………
喋る…………………!
……緩急をつけることで、相手に与える印象をコントロールできるわけです。
そして待ち時間はクリエイティビティの源泉です。物理学者レオ・シラードは信号待ちをしていて、青に変わった瞬間に原子核の連鎖反応を思いついたと言われている。
剣道や相撲だって「後の先」という言葉があるでしょう。実力者ほど「相手の出方をうかがってから攻撃する」という形を体得している。野球の待球作戦なんてのも、どっしり構えて甘いボールを待つことで勝機が生まれるというわけです。
ものすごい早口。
よく回る舌だなあ。
待つことが多くのものを生み出してきた、と。それは歴史が証明してるわけですね。
『古畑任三郎』のオープニングにしたって、古畑がオープニングの口上を終えて2秒待ってから「テーテーテテーテーテテーテーテテ〜♪」のテーマが流れるんですから。
やっぱり「古畑」リスペクトだったのか……。
まあ、私は「待てる」側の人間なので、皆さんからの反論も受け付けようと思っています。
あまり共感しませんが、世の中「待たない方がいい」という趣旨の言い回しもありますよね。
「先んずれば人を制す」とか。
他には?
「善は急げ」。
「思い立ったが吉日」とか。
そう、「思い立ったが吉日」! 人は言うけれども、本当にそうなんでしょうか?
カレンダーに書いてある、六曜というものがありますね。「大安」みたいな吉の日や、「仏滅」のように凶のタイミングがあると言われています。
計算してみると、凶の時間帯の方が長いんですよ。吉の時間は46%しかない。
「思い立った」日の半分は吉日ではない、というのか??
赤口が吉のタイミング、短すぎ。
友引は「朝晩は吉」だから、吉の時間を少なく見積もりすぎな気もしますけど。
皆さんいまいち納得してないようなので、証明を続けましょう。
「白黒つける」なんて人は言いますけど、ちょっと結論を急ぎすぎじゃないか? と思うわけですよ。
性急に白黒つけることが本当に大事なのか、オセロで白黒つけようじゃないかと。
うまいこと言っているようで、なんだかよくわからないな。
6×6のオセロで、皆さんと対決します。私は待てるんで、後攻でいいですよ。
じゃあ、僕らが黒ですね。行きます。
我々が優勢のようだ。これは勝てるのではないか?
うわ、角取られた。あれ。
まずいな。
▲少し黒が陣地を広げても……
▲白に次々とひっくり返されていく
……どこにも置けなくなった。
計算するまでもないが、32対4で私の勝ちですな。
く、くやしい。
完膚なきまでに叩きのめされたな……。
皆さん、どうして負けたかわかりますか?
皆さんの敗因は「待てなかったこと」なんですよ。
オセロは基本的に序盤はね、相手の石を取っちゃいけないんです。終盤で打つ手の選択肢が減るから。
序盤で待たないといけなかったのか。
人生もそう。最初は辛抱が肝心。
もう皆さんも理解できたでしょう。「待つ」ことがいかに大切であるか。
良い機会なので、ちゃんと皆さんの知識が定着しているか、クイズ形式で確かめてみましょう。
クエスチョン1。
これから航海に出なきゃいけない。でも、ちょっと今日、海路の日和が悪い。一体どうしたらいいでしょうか?
シチュエーションが限定的すぎるだろう!
まあでも、天気が悪かったら、あんまり船は出しちゃいけない気がしますよね。
うーん……。
▲もしかして……
「待つ」とか……?
……………。
(またこのくだりがあるのか……)
………………!!!
正解その通り! 「待てば海路の日和あり」。
なに、造作もない。
では、クエスチョン2。「果報が来ないんだよな〜」というとき、どうすればいいだろう?
果報、欲しい。
……でも、一旦寝たくない?
一理あるな。
私たちの答えは、「寝て待つ」だ。
……………正解い〜〜〜! 「果報は寝て待て」ですね。
さあ、いよいよ最終問題です。次正解すれば、史上初の全問正解。
過去にどれほどの挑戦者がいたのか、かなり疑わしいがな。
皆さん、ここまで頑張ってきた。
人事は尽くした! でも、天命が来るかわからない……!
そんなとき、皆さんがとる選択は?
まあ、その…………。
うむ…………。
あまり自信はないですが…………。
「待つ」という手があるかもしれません。
ファイナルアンサー?
……ファイナルアンサーだ!
ん〜〜〜〜〜〜〜〜!!
「人事を尽くして天命を待つ」お見事!!
3問中3問、全問正解です。
よっしゃああああ!!!(??)
(そりゃそうだろ……)
良かった。皆さんにも待つことの大切さが伝わりました。
この忙しい現代社会、「タイパ、タイパ」と言われ続けて、我々は忘れてしまっているんじゃないでしょうか。待つことの意味を。
植物の種が実るのだって、種まきからじっくりと待たなきゃいけないわけです。
お……?
手書きの文字も、時間というコストはかかるけれども、待ったからこその味のある作品が生まれたりするわけで。
伏線回収きてる……!
「朝からそれ正解」だって、キーボードで打ってたら台無しですよ。ホワイトボードに書いている間にやいのやいの言うのが楽しいんだから。
からまった有線イヤホンをほどいている時間、ワイヤレスイヤホンでの音楽体験にはない「期待感」というものが確かにありましたよね。
おっしゃる通り。
皆さんが今回「守りたい」と思ったのは、どれも「待つこと」を内包したコンテンツだったんです。
社会から消えていっているのに、私たちが本当に恋焦がれているもの。それは「待つこと」。
心の掲示板に「ちょっと待っててね」って書き込んでみてください。
それが、あなたの人生を動かす「種」になるはずです…………。
……最後だけ、やたらいいことを言うではないか!!
長話を聞いて待っていた甲斐があるというものですね。
参加者の感想
うまく言いくるめられたような感じがしないではないが、納得いくプレゼン内容だったな。
待ち時間ってやっぱり大事だから、大学の課題の締切も教授に待ってもらおう。
それは出さないとダメだろ。
まとめ
これで今回も、十分に議論を尽くせただろうか。
問題を突き詰めていった結果、同じところにたどり着いたのが興味深かったですね。
想像力が鍛えられた気がする。
農学部出身者としては、農業や作物について考えてもらえる機会が何より貴重だ。
社会で起きている問題に対して、一人ひとりが「なぜ?」と向き合ってみる。これが将来の私たちの生活をより良いものにしていくのであろうな……!
かくして、今ひとたびの「円卓会議」は幕を閉じた。
今回もクロップライフジャパンの提供でお届けしました。
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そして今回はほかにもお知らせがあるそうですね……?
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例年通り一般の方から発表者を募集しますし、こちらはどなたでも観覧チケットをお求めいただけますよ。
私は第2回に発表者として参加したんですけど、これマジで面白いイベントです。
ほかの大学・学部の人の研究なんて、めったに見られるものじゃないですからね。
発表を聞いたら、ほかにも「守りたいもの」が増えてしまいそうだ。嬉しさ半分、悩ましさ半分!
最後にクイズです
撮影協力:コンファレンススクエアエムプラス
制作:あさぬま、石田武蔵、カタヤマ
撮影:あさぬま
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