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こんにちは! ライターのハルです。

みなさん、チョコレートは好きですか? 甘くておいしいチョコレートですが、実は猛毒となる場合があります。それは、犬に与えたとき

犬が摂取すると痙攣けいれんを起こしたり、昏睡状態になってしまいます。一体なぜなのか。

▲犬にチョコはNG

大事なペットにもしものことがある前に……。今回は、犬にチョコレートを与えてはいけない理由について、化学の視点から解説していきます。

毒の正体:テオブロミン

犬にチョコレートを与えてはいけない理由は、チョコレートに含まれるテオブロミンという物質が毒としてはたらくからです。

▲チョコには「毒」が含まれている……!?

「えっ、自分は毒を摂取していたの?」と不安になった方はご安心を。人間に対しては基本的に無害なので問題ありません。テオブロミンは、チョコレートやカカオの苦味を構成する成分で、人が摂取するとリラックス効果や代謝の促進などポジティブな影響を与えます。

※人間も、過剰に摂取した場合にはテオブロミンの悪影響が現れます。

なぜ犬が中毒になるの?

さて、人間には何かとポジティブな効果を与えるテオブロミンですが、犬には正反対の効果をもたらします。なぜこの違いが出るのでしょうか。その理由は、人と犬では体内におけるテオブロミンの分解速度が異なるからです。

▲アルコールの分解速度が人によって違うのと同じ

人間は、テオブロミンを摂取した後、肝臓のはたらきにより6時間ほどで分解して排出することができます。しかし、犬はテオブロミンを分解することが苦手で、体内に1日近く留まってしまいます。これにより、テオブロミンの悪影響が顕著にみられるのです。

豆知識と対策

ちなみに、お茶やコーヒーに含まれるカフェインテオブロミンとよく似た構造をしています。

▲カフェインのメチル基(-CH₃)がテオブロミンでは水素(H)になっている

そしてこのカフェインもまた、犬に対しては毒としてはたらきます。特に多量にカフェインを含んでいるコーヒーは、彼らにとっては非常に危険な飲み物です。大切な家族を守るためにも、正しい知識を身につけて食事を楽しみましょう。


余談

ペット用の代替品として、キャロブ(イナゴマメ)を使ったチョコレートが販売されています。これならカカオ豆を使っていないので中毒症状を起こす心配もありません。バレンタインデーなど、チョコレートをあげたいときにいかがでしょう。

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この記事を書いた人

ハル

慶應義塾大学で有機化学を学んでいます、ハルです。クイズ研究会所属。「知ったことを人に話したくなる」「日常が面白くなる」記事を目標に執筆していきます。よろしくお願いします。

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