血が見られないコジマです。
ヒトは、ヒトに限らず動物は、血がたくさん出ると死んでしまう。いわゆる失血死だ。
しかしながら、血は液体であるから、口から飲めばまた身体を巡ってくれる気がする。気がするのだ。
もうすぐハロウィンですしね。
が、「気がする」くらいの根拠で命の危機を迎えたくないので、ちゃんと血について調べておく。本当に飲めば助かるか?
人間の身体に流れる血液の量は、体重のおよそ13分の1だという。 体重が65kgなら5kg、50kgなら3.8kgで、それぞれ体積にして4.7L、3.5L(比重1.055で計算)。
全血量の半分以上の血が体外に出ると死に至るらしいので、65kgの人なら2.4Lくらいが致死ラインということになる。
さて、血が2.4L出てしまったとして、それを全部飲めば助かるのか?即ち、ちゃんと血として戻ってくれるのか?
献血の募集を行っている日本赤十字社のウェブサイトを読んでみる。献血で失われた血の量自体は、水分を飲めばすぐに戻るらしい。
問題は血の成分で、日本赤十字社によると
回復する速さには個人差がありますが、目安として、血漿成分は約2日、血小板成分が約4~5日、赤血球は約2~3週間で回復します。
とのこと。献血では400mLの血を抜くが、それを回復するのにも2週間はかかるというのだ。
赤血球や白血球といった血液の成分は、骨の中にある骨髄で作られる。各成分にも寿命があって、平常時であっても死んだ分だけの成分を作っているのだ。 つまり、急に「足りないから作り足してよ!」と言われても簡単には増やせない。
飲んでも意味が無いので、せめてメッセージを残すのに使おう。
飲んだ血の成分が直に血管に戻ってくれればいいものの、そうはいくまい。消化・吸収されて(栄養分の状態で)血管を通り、骨髄で血液の成分に変わる正規ルートを通るから、多分間に合わない……。
というわけで結論。血は飲んでも戻らない!
仮に口内からダバダバ出血していて、全部胃に落としたとしても失血死になるということである。2.4Lも血を飲んだら気持ち悪くて吐くと思うけど……。
大量の出血があるときは、飲む前に止血をしよう。傷口にガーゼやハンカチを当て、上から強く圧迫するのが基本だそうだ。
(出典:日本赤十字社)