こんにちは、ライターの古郡 将也です。
いきなりですが、まずこちらのクイズに挑戦してみてください!
では続いて、こちらのクイズに挑戦してみてください。
話がどんどん謎めいてきましたが、いったい「ベリー」とは何なのか、その真相に迫っていこうと思います。なお、ここから登場する「ベリー」はすべて、植物学における「ベリー」であることにご注意ください。
植物学における「ベリー」の定義
植物学においてベリーとは、以下の2つの条件を満たすものを指します。バナナを例に見ていきましょう。
定義①
1つ目の定義は、「内果皮と中果皮が多肉質または液質の植物」というものです。バナナにおいて内果皮と中果皮は、それぞれ以下の部分にあたります。
▲バナナはベリーの定義を満たします
バナナの中果皮と内果皮はいずれも多肉質(水分を多く含んでいて肉質が柔らかい状態)になっているので、この定義を満たします。
定義②
2つめの定義は、「1つの花の1つの子房(発達して果実になる部分)から発達した果実である」というものです。バナナはこの定義にしたがって実る果物なので、この定義も満たしています。
したがって、バナナはこれら2つの定義を満たす植物なので、ベリーに分類される、というわけです。
イチゴがベリーに分類されないのはなぜ?
では、イチゴがベリーに分類されないのはなぜでしょう? その理由は、イチゴの「つぶつぶ」にあります。
イチゴの表面にはたくさんの粒がありますが、これらは種ではなく果実なのです。1粒のいちごは200個から300個の果実が集まったもので、定義②「1つの花の1つの子房(発達して果実になる部分)から発達したものである」を満たさないので、イチゴはベリーには分類されないのです。
▲イチゴの甘い部分は果実ではなく偽果と呼ばれます
ベリーに分類される植物
ラズベリーやブラックベリーは名前に「ベリー」がついていますが、これらの果実もイチゴと同じく果実が集まったものなので、ベリーには分類されません。ただし、ブルーベリーはベリーに分類されます。
そして先ほどの2つの定義に基づくと、キウイやザクロのほか、トマトやアボカド、キュウリ、ナスまでもがベリーに分類されます。
▲これでもうベリーかどうかで迷いませんね
なぜこんなややこしいことに……?
植物名としての「ベリー」と植物学における「ベリー」に食い違いが生じたのは、ベリーが定義されるはるか昔から、人々がいろんな植物に対して「ベリー」という言葉を使っていたからです。
「それならどうして両方とも『ベリー』という言葉で定義したのだろう……」と謎は深まるばかりですが、ここらでおいとまさせていただきます。
最後にまとめクイズをご用意したのでサクっと正解してください!
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