こんにちは。人生で初めて演奏したベートーヴェンの曲は交響曲第1番、はぶきです。
皆さんは「ベートーヴェンの作品」と聞くと、どんな曲を思い浮かべますか?
有名どころだと、オーケストラ曲なら交響曲第5番『運命』、交響曲第9番『合唱付き』、ピアノ曲ならピアノソナタ第14番『月光』あたりでしょうか。
▲偉大なるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
こんなしかめっ面のベートーヴェンですが、実は異常な引っ越し好きで「人生で少なくとも60回以上引っ越しをした」なんて変わったエピソードも残っています。
今回は、今も多くの人に愛される作品を残したベートーヴェンがどんな人物だったのか、そしてなぜその作品が高く評価されているのか、彼の魅力についてじっくり解説していこうと思います。
ベートーヴェンは「時代を変えた」音楽の革命児
ベートーヴェンは1770年にドイツに生まれ、1827年にこの世を去っています。
彼の作品は、西洋音楽史的な立ち位置で言えば、古典派後期、ロマン派の前駆にあたると言えるでしょう。
▲古典派からロマン派への橋渡し役
古典派音楽の時代には、明快でわかりやすい曲調が好まれました。この時代の代表的な作曲家が、皆さんもご存じの、あのモーツァルトです。なので、ベートヴェンが活躍したのはモーツァルトよりも少し後の時代、ということになります。
▲モーツァルトがだいぶ年上です
一方ロマン派音楽時代には、「標題音楽」※と呼ばれる手法や、形式にとらわれない楽曲が増え、音楽はより自由に、そして複雑になっていきました。このロマン派時代の作曲家に多大な影響を与えたといわれているのが、ベートーヴェンなのです。
※標題音楽:文学や情景など具体的なイメージをもとに作曲され、タイトルと説明をつけた音楽。
▲才能あふれるロマン派の作曲家たち
では、この2つの時代のちょうど境目を生きたベートーヴェンは、一体どんな功績を残したのでしょう。
ベートーヴェンのスゴいところ4選
1.「交響曲」を超ビッグなジャンルにした
ベートーヴェンといえば、冒頭にも載せた通り、交響曲が有名ですよね。それもそのはずで、彼の交響曲は第1番から第9番まで、それぞれが現在も音楽界で高く評価されています。
ベートーヴェンの交響曲の中でも特に評価が高いのが、彼の書いた最後の交響曲である、第9番『合唱付き』です。
ベートーヴェンは、それまで交響曲に導入されてこなかった「歌」を交響曲に取り入れるなどして、交響曲をより大規模な音楽へと発展させていきました。その功績は図り知れないもので、後世の作曲家にはこんな影響を受けた人物も……
2.「ソナタ」の常識も変えた
交響曲のような大規模なオーケストラ作品を残した一方で、ベートーヴェンはピアノソナタも多く書き残しています。
「ソナタ形式」は、当時の作曲形式の中でも主流なもののひとつであり、すでに多くの作曲家がソナタを書き残していました。
そんなソナタに対してベートーヴェンが行ったのは、「大規模化」と「基本形式からの逸脱」です。
まだまだあります! ベートーヴェンはそれまでにない働き方で音楽家たちを芸術家としての意識に目覚めさせたり、今では当たり前の音楽の決まりごとを定めたりしているんです。