「エアコンの設定温度を上げても、部屋が全然暖まらないと思ったら冷房でした」
冬のある日の悲しすぎるうっかりミス。暖まらない部屋と、希望の温度だけは表示されているリモコン。もしかしたら、同じ経験をしたことがある人もいるかもしれません。
だけど、たとえ冷房だとしても室温より高い温度に設定しているのに、部屋が暖まらないのはどうしてなんでしょう?
意外と知らない「冷房と暖房の違い」をエアコンメーカーのダイキン工業に聞いてみると、冷房と暖房で体感温度が違う理由や今日から使える「エアコンで快適に過ごす方法」も教えてもらえました。
冷房と暖房はそもそもの動きが違う
お話を伺ったのは、ダイキン工業のコーポレートコミュニケーション室・広報グループの
――重政さん、冷房の25℃と暖房の25℃って同じじゃないんですか?
重政さんによると、エアコンの冷房は部屋の空気の温度を「設定温度まで下げる働き」をする機能で、暖房は「設定温度まで上げる働き」をする機能だといいます。
▲冷房と暖房の違い
エアコンには部屋の温度を測るセンサーが搭載されており、リモコンで設定した温度よりも、室温が高いのか/低いのかを判断して動いています。冷房も暖房も、設定温度まで達していれば、それ以上部屋を冷やしたり暖めたりすることはないそうです。
たとえば、夏の暑い日に室温が30℃で、冷房の設定温度を25℃にしたとすると、エアコンは「室温が設定温度よりも高いので、もっと温度を下げよう」と働きます。一方で、室温が10℃の冬の寒い日に、同じく冷房を25℃に設定しても、すでに部屋は設定温度まで冷えていることになります。
▲冷房は「冷やす」専門、暖房は「暖める」専門なのだ
つまり、室温よりもどれだけ高い温度設定で冷房をつけても部屋が暖まらないのは、「もう冷やす必要がないから」。冷房としての仕事は完了しているわけですね。
――とはいえ、部屋がとても寒いときでも、間違えてつけちゃった冷房から冷たい風が出ていることがあります。
エアコンは、室外機にも温度センサーが搭載されており、屋外の温度を検知して今が冬であることは認識します。ただ、「冷房運転」を命令されているため、定期的に室温のモニタリングをすることがあります。このモニタリングの際に、送風運転を行うそうです。
エアコンの室内機から出る風は冷やされているわけではありませんが、「寒いなかで体に風が当たることで寒く感じるのではないか」と重政さんは話します。