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こんにちは、皐月です。私は自他ともに認める「あがり性」で、「人前での発表」や「大事な面接」などの場面を想像するだけで、もう今この瞬間でも心臓がバックバクです。

そして、実際にそうした場面に直面したとき、毎度私を苦しめることがあります。それは……

緊張すると確実に声が震える!!

話しながら自分の声が震えているのがわかるし、その震えを意識しだすと一層緊張してしまうという負のループに陥って抜け出せなくなるんですよね。何とも恐ろしい……!

▲もうこうなったら止められない

自己流の対処法をいろいろと試してはきましたが、努力もむなしく、声の震えには適いませんでした……

これはもう自分の力だけではどうすることもできない!」と行き詰まってしまった私は、専門家にお話を伺うことにしました。

今回取材に協力してくださったのが、千葉大学大学院医学研究院で認知行動生理学を研究する清水栄司教授です。

清水栄司教授
人間の考え方や行動に対して働きかける「認知行動療法」という方法を用いた不安症の研究・治療を行っています。

なぜ緊張すると声が震えるのか、どうしたら効果的に対処できるか、早速清水先生に聞いていきます!

目次

緊張は「生き残り」のため!? 緊張の正体とは?
なぜ緊張すると声が震えるの?
「人をジャガイモに例える」効果はある?
効果的な「緊張の対処法」とは?

「緊張」ってどういう状態?

例によって取材の数日前から既に緊張で心臓がバクバクです。ついにやってきた取材当日。声の震えを必死に抑えながら、疑問を聞いていきます。

私はとても緊張しやすく、緊張したときの声の震えにも悩んでいます。と言っているそばから、声が震えてきてしまっているのですが……。

私も今は克服しましたが、皐月さんくらいの頃はあがり性だったんです。発表のときにしどろもどろになってしまったり、頭が真っ白になったりなんてことはよくありましたよ。

先生もあがり性だったんですね……! 現在は克服していらっしゃるというところから、少し安心しました。

(一旦深呼吸)そもそもなのですが、緊張はどうして起こるのですか?

緊張は、身体が危機的状況において戦おう・逃げようと準備するために起こるものです。

どういうことでしょうか?

人間の身体は怖いものや危険なものに直面したとき、不安感や恐怖感を抱き、生き延びるために戦おう・逃げようと準備します。この準備を「戦うか逃げるか反応」、かっこよく言うと「闘争か逃走か反応」といい、緊張を引き起こしています。

「闘争」と「逃走」がかかっているんですね!

▲緊張は身の危険を感じるときに起こる

自律神経には体の活動性を上げる、アクセルのようなはたらきをする「交感神経」と、リラックスさせるブレーキのような「副交感神経」という2つのモードがあります。

「闘争か逃走か反応」の反応下では、交感神経が副交感神経よりも優位な状態になります。それによって緊張したときに生じる、筋肉に力が入るなどの諸症状が現れています。

なるほど、

生き延びるために身体の活動量が上がることによって緊張するのですね。

▲交感神経が優位な状態だと、筋肉などに力が入る

でも、私は発表や面接で死ぬわけじゃないのに緊張してしまいます。それはなぜですか?

それは、人間にとって、社会のような群れで生きることが、ある意味では戦いだからです。例えば、サルが群れの序列を破ろうと戦いが起こって、その結果負けたサルが村八分にされて鬱状態になるということがあります。

同様に人間社会でも、集団から疎外されることによる社会的な死がありえます。身体的な生死を問わない場面で緊張するのは、対人関係が社会的な死に繋がりうるからでしょう。

私が緊張する背景には、そんな壮大な理由があったなんて……。いかに、人間にとって対人関係が重要かがわかります。

日常生活でもこうした対人ストレスにさらされているので、本当に人間って大変ですよね。

緊張すると声が震えるのはなぜ?

では、緊張すると身体では具体的にどんなことが起こっているのですか?

緊張して交感神経が優位になると、動悸や呼吸数の増加、発汗、武者震い、赤面などが生じます。どれも生き延びるためには重要な症状です。

どれも経験があります……。ただ、私が悩んでいる声の震えは、危険から逃げたり戦ったりするための準備とは関係がないようにも思えます。なぜ緊張すると声が震えるのでしょうか?

声の震えは直接的に関係ないように思えますが、これも筋肉が関係しています。緊張で喉の筋肉がこわばることで声の震えは生じています。体の武者震いと同じものと考えてよいでしょう。

なるほど、緊張して手足がガタガタするのと同じなんですね! ところで、私のように緊張しやすい人とそうでない人がいると思うのですが、その差とは一体何なのでしょうか?

それは不安感受性の差です。これは遺伝や体質的な影響もあって、生まれつき感受性が豊かな人とそうでない人がいます。あとはどのような環境で生活してきたかに左右されるケースもあります。ざっくり言うと、感受性が豊かな人は緊張しやすく、鈍い人は緊張しにくいという傾向はありますね。

遺伝もあるのですね。緊張しにくい人に生まれたかったなぁ。

次ページ:「人をジャガイモに例える」効果はある? 対処法を聞いてみた!

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この記事を書いた人

皐月

筑波大学で国際関係学を専攻しています。皆様の心に残る楽しい学びをお届けできれば幸いです。よろしくお願いします!

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