こんにちは、オグラです。
ユネスコの世界文化遺産にも登録されている厳島神社。修学旅行などで訪れたことのある人も多いのではないでしょうか?
そんな厳島神社といえば、満潮時には海に浸かり、干潮時にしか歩いて行けない大鳥居が有名です。海にそびえる光景はとても神秘的ですよね。
でもどうして厳島神社は海のそばにあるのでしょう? 海辺はふつう潮風や台風など災害の影響を受けやすく、建物を建てるには不向きな場所です。
実際に今の大鳥居は記録が残る限り8代目であり、幾度となく再建されてきたことが分かります。
なぜわざわざ海辺に神社が作られたのでしょうか?
島全体が神聖
標高約530mの弥山(みせん)を頂き、瀬戸内海に浮かぶ厳島(宮島)は、古くからその秀麗な姿に神々しさを感じた人々によって信仰されてきました。
厳島という名前も「神をいつきまつる島」が語源とされます。本来人が住んではならない島であり、神職も島に渡るのは祭祀のときだけであったと伝えられています。
ただし時代が降るとともに、神職が常住するようになり、戦国時代には一般の人も住み着くようになりました。
しかし人が住むようになっても禁忌は強く、出産や葬式は厳しく規制され、穀物を作ることや機織りをすることも禁じられていました。
ご神体を傷つけないように
このように島全体がいわばご神体であり、神聖なものとされていました。
厳島神社が海辺にあるのは、木を切ったり土を削ったりすることでご神体を傷つけるのを恐れ、島の上を避けて社殿が造営されたからだと考えられています。
また、当初は海辺すら避けて対岸に遠くから拝むための遙拝所が設けられていました。これが現在の地御前神社です。
水上の鳥居は他にもある
実は海の上に鳥居があるのは厳島神社だけではありません。例えば大洗磯前神社には海の岩の上に立つ神磯の鳥居と呼ばれる鳥居があります。
また海ではなく湖ですが、箱根神社にも芦ノ湖に立っている平和の鳥居という鳥居があります。
いずれも神秘的で素晴らしい光景です。興味をもった方は厳島神社とともに訪れてみてはいかがでしょうか。
参考文献
- 厳島信仰事典
- 日本大百科全書