コジマです。
突然ですがクイズ。「地球が太陽に一番近づくのは何月でしょう?」
太陽は地球にとっての暖房のようなもの。すると、近ければ近いほど暑いはずだから、7月か8月……?
ところがどっこい、正解はなんと1月。寒いじゃん!
太陽が近づくってどういうこと?
そもそも太陽が遠いとか近いとかいう感覚は普段抱かないが、どういうことなのか。
地球をはじめとした惑星は、太陽の周りを楕円軌道で公転する。太陽を中心とする真円の軌道なら距離は変わらないが、楕円なので必然的に「一番近い」ところと「一番遠い」ところができる。この2点をそれぞれ「近日点」「遠日点」という。
“2019年現在”、地球が近日点に来るのは毎年1月上旬。わざわざ“2019年現在”としたのは、近日点は11万年という非常に長い周期で移動するため。
近づくのになぜ寒いのか?
ちなみに、どれくらい「近い」のかを計算してみる。
地球の公転軌道の離心率(楕円の歪み具合を表し、0に近いほど歪みが小さい)は0.0167で、これから計算(※)すると、近日点距離は遠日点距離より3.3%短い。
※上の図の記号を用いると、長半径と短半径の長さはそれぞれa+ae, a-ae。この比は(a-ae)/(a+ae)=(1-e)/(1+e)。e=0.0167として計算すると0.967で、すなわち長半径は短半径の96.7%の長さ(短半径より3.3%長い)。
季節による寒暖差は、主に23.4°という地軸の傾きから生まれる。
地軸の傾きによって、太陽が高い角度から照らす時期(=夏)とその逆の時期(=冬)が生まれる。正午の太陽光の入射角のことを「南中高度」といい、東京(北緯36度)における夏至の南中高度は77.4度、対して冬至の南中高度は30.6度。太陽の高さは夏と冬でこんなにも違うのだ。
この影響に比べると、太陽が近いか遠いかが気温に与える影響は非常に小さい。
「地球が太陽に一番近づくのは何月でしょう?」
クイズの答えは「1月」、気温との関係はなし。気合で覚えるしかないが、当分(1万年くらい)は変わらないはずなので丸暗記しよう。
近日点は1月!