12月5日、安倍晋三首相が今月26日27日にハワイを訪問し、真珠湾のアリゾナ記念館を訪れる予定であることを発表しました。
奇しくも12月8日、日本軍の真珠湾攻撃により太平洋戦争が幕を開けて75年という日を直前に控えて、という形でした。
※当初「現職総理大臣として初の真珠湾訪問」としていましたが、正しくは吉田茂元総理が初でした。お詫びして訂正します。
今年5月のオバマ大統領による広島訪問も含め、日米関係は過去に対する姿勢において新たなフェーズに入ったといえます。
また、 「歴史問題で揉めている中韓に対し未来志向外交の姿勢を見せるためだ」「トランプ次期大統領による発言を受けて、日米関係の強固さを他国にアピールする必要が生じたからだ」という見方もあります。
いずれにせよ、日本外交史におけるひとつのトピックになるということは確実であり、注目すべき出来事です。
ということで今回は、「そもそもなぜ今回の訪問が大々的なニュースなのか」を、「真珠湾攻撃は、世界史上においてどのような位置を占めているのか?」という視点からクイズ形式で紐解きます。
昨今のウェブメディアへの厳しい目の中、このように政治的にも思想信条的にも難しい話題を取り扱うことには正直怖さがあります。しかし、ここで知識への誠実さを貫けないようでは、クイズを作り伝える者として僕の名折れです。当たり前のことですが、誠心誠意筆を進めていこうと思います。
いかがでしたでしょうか。
おおざっぱにまとめるのならば、真珠湾攻撃は「太平洋戦争最初の戦い」と簡単にくくれるようなモノではなかった、ということです。
まれに見る奇襲戦であり、戦争の潮流の変わり目であり、第二次大戦の戦場にアメリカが本格参戦するキッカケ、つまりは戦後秩序の一端を決定した戦いとも言えます。
それだけに、攻撃した側である日本の首相が初めてその地を訪れる、ということは、世界から見てもひとつの大きな出来事なのです。
真珠湾攻撃で沈没した戦艦アリゾナは、海に沈んだ船体の上に記念館が建てられ、戦跡として今に歴史を伝えています。安倍首相も、おそらくはこの記念館を訪れることになるでしょう。
ただ戦争を忌避し、過去を否定するのではなく、戦争が何かを知り、その中にこそ平和を見出していくというのが、学問的にあるべき姿勢だと思います。
記念館には行けなくても、この記事から「戦争を知る」第一歩を踏み出してもらえるのならば幸いです。