第1問
『九十歳。何がめでたい』は、2017年4月現在で93歳の作家・佐藤愛子さんのエッセイ集。現代社会の問題点を斬りまくる迫力ある筆致と、若者への暖かいエールが絶賛を呼び、昨年9月の発売以降50万部を超えるベストセラーとなっています。
第2問
『ウニはすごい バッタもすごい』は、生物学者・本川達雄さんの著書で、生き物の独特な生存戦略を解説しています。「〇〇はすごい」系のタイトルがついた新書はたくさんありますが、こうして生物への愛と敬意が感じられるものは、群を抜いて好奇心に訴えかけますね。
本川さんは『ゾウの時間 ネズミの時間』でも有名な方です。
第3問
『すべての教育は「洗脳」である』は、クイズ番組などでもおなじみの実業家・堀江貴文さんの著書。
「学校の敷いたレール」にこだわらない自由な生き方を提案し、独特の教育論を展開しています。
第4問
『電通と博報堂は何をしているのか』は、元・博報堂社員の中川淳一郎さんが、広告代理店の実情を解説した著書。仕事の内容が外からはわかりにくい広告代理店ですが、まさに私たちの疑問をタイトルとしてうまく使っていますね。
第5問
『語彙力こそが教養である』は、教育学者の斎藤孝さんの著書。「東大生は教養がない」などとあちこちで言われる身としては、手に取らされてしまうタイトルです。姉妹編の『文脈力こそが知性である』なども目を引きますね。
第6問
『ディズニーランドという聖地』は、アメリカ文化史の専門家である能登路雅子さんの著書。アメリカのどんな文化や理想がディズニーの演出を作り上げてきたのかという、華やかな「夢の国」の裏側に迫る、ディズニーファン必読の徹底解剖です。
第7問
『なぜローマ法王は世界を動かせるのか』は、外交官の著者・徳安茂さんが、キリスト教世界で圧倒的なリーダーシップを発揮する「ローマ法王」に焦点をあてた1冊。馴染みの薄い日本人に向けて、その政治力を紹介しています。
第8問
『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』は、宇宙物理学者の村山斉さんが新聞記者とのQ&A形式で、最新の宇宙理論を紐解いたものです。村山さんはかつて『宇宙は何でできているのか』がベストセラーになったので、「新書+村山」で見覚えがあった方もいるかもしれません。
宇宙の理論というと身構えてしまいがちですが、『宇宙は何でできているのか』は、当時中学生の僕も本当にわかりやすいと感じたので、理系の新書への入門としておすすめです。
第9問
『エビと日本人』『バナナと日本人』は、それぞれ日本の魚介・果物の輸入で大きなウェイトを占めるエビとバナナの生産現場を直撃した新書です。エビは主にインドネシア、バナナはフィリピンに取材し、日本向けの輸出によってもたらされた現地の問題を暴いています。
僕は高校時代に先生の勧めで『エビと日本人』を知り、東大入試の帰りの新幹線で読んでいました。
第10問
『戦争にチャンスを与えよ』は、アメリカで軍事史などを研究しているエドワード・ルトワック氏の著書。もちろん戦争は無いに越したことはありませんが、戦争に対する中途半端な介入や停戦が繰り返される点を問題視し、悪に確実な打撃を加える必要性を論じています。
「あいまい」な姿勢を取り続ける日本に対しても警鐘を鳴らす1冊です。
新書を読もう
取り上げた以外にも、おもしろくて読むに値する新書はたくさんあります。ぜひ書店に足を運び、自分が気になるテーマの本を探してみてはいかがでしょうか。