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QuizKnockのメンバーがチャット形式でゆるゆる雑談する「QuizKnock雑談中」。今回はとむと、QuizKnockのエンジニア・Ziphilのペアでお届けします。

人工言語を創作するほどの「言語好き」という共通点を持つ2人。好きな言語言語学習の「あるある」の熱いトークから目が離せません。

日本語と英語、ドイツ語と語学が堪能な東大生。中学1年の頃に言語を自作していた。
鶴崎の誘いでQuizKnockに加入したエンジニア。先日、QuizKnockの動画のためだけに「キプソル語」という人工言語を創作した。

注釈:Jennifer

「未知の言語」動画のコンビです

こんにちは!!
こんにちは!!
キプソル語の動画以来ですね~

▲2人が人工言語で流暢に会話する驚きのシーンも

▲「キプソル語」創作秘話はこちら

ですね~。とむさんと言語の話するの好きなので楽しみにしてました
え~嬉しいです。私もZiphilさんと言語の話するの好きですよ!!

2人のお気に入りの言語は?

今回の雑談は、まさに「好きな言語」とか「言語学習あるある」の話をしようという回らしいです
そうですね。とむさんの好きな言語ってどのあたりなんですか?
ベタですけど、ヨーロッパ言語はやっぱり好きですね。比較的取っ付きやすいので
ベタですけど:今日はこの次元でお届けします。
あーわかります。私もヨーロッパの言語好きですね
使ってる文字になじみがあって、単語も日本語話者が知識的に知っているものがちょくちょくありますからね。英語の延長みたいに始めやすい
確かにフランス語とかは、英語と似た単語が多くて始めやすいですね。ほかにもラテン語とか古典ギリシャ語とか
かなり現代の言語にも要素が残っていますからね。名言とか調べちゃいますね。
現代語と見比べて、これがこんなんになったのか~ってやるの好きです
まあ多分、語学好きな方ならヨーロッパ言語は何となくチラ見してると思うんですよね
やってる人は多そう
逆に有名どころ以外で、好きな言語とかニッチなあるあるあったりします?
あーアラビア語とか? 日本だと学んでる人少なそう
確かに。でも話者数はかなりいますよね。
そうなんです、何億人も話者がいるわりに日本だとマイナー

▲QuizKnockではアラビア語のクイズに挑戦する企画もありました

Ziphilさんは最近アラビア語やられてましたよね?
最近やってました! アラビア語はまず文字が特徴的ですね
右から左に書きますよね
そうですそうです。そして、場所によって同じ文字なのに結構形が変わります
語中、語末みたいなことですよね
そうです!
何かほかにアラビア語の推しポイントとかありますか? あと、やってて気付いたこととか!
キプソル語の動画のときにもしゃべっちゃいましたが、やっぱり子音語根に母音を挿入して単語を作るってシステムすごいなーと
あれやばい
これ自然に生じることある? っていう
子音語根に母音を挿入する:語根(単語の意味の基本となる、それ以上分解できない最小単位)はそのままに、あいだの母音だけを変えて別の単語に作り変える、ということ。 たとえば下の画像(キプソル語)の例では、「lusko」(話す)の母音だけを変えて「lisok」(言語)という単語ができている。

いくらでも人工的に複雑な文法は作れるんですけどね。自然言語(人間が自然に話すようになった言語)には自然言語ならではの面白さがありますよね
わかります。人工言語のシステマチックなのも良いですけど、自然言語のちょっと崩れたところも好きです

とむは中国語を勉強中

最近私は中国語をほんの少しかじり始めたんですが、また別世界で面白いです。「あ、それいけるんだ」みたいな
中国語はノータッチなんですよね。何かおもしろいと思った点ありますか?
SVOなのに、節が前置修飾なところとかですかね
英語はSVOでも後置ですもんね
Ziphilさんには一瞬で通じるけど(笑)、一応説明する必要がありますね。 SVOっていうのは主語-動詞-目的語の順で文を作る構造ですね。“I eat bananas.”はSVO。
で、何かを詳しく説明する場合、英語は関係代名詞を使って後ろから説明しますよね
“This is the bike that my mother gave me for my birthday.” の、that以下の部分みたいに。
節っていうのはざっくりいうと、こういう長めな説明の部分なんですけど、私がヨーロッパ言語ばっかりやっていたものだから「SVOは後ろから説明する」に慣れてたんですよね
ヨーロッパ言語は、このパターン多いですね
そうですね。部分的なところを見て「中国語は英語に似ている」と言われているのをよく目にしていましたが、実際学んでみるとやっぱり結構違いますね
「動詞」+「動詞の否定」を連続させて疑問文が作れるとか。「是不是」みたいな
是不是」の表現は見たことあります! トキポナと一緒だってなった
トキポナ:シンプルなコミュニケーションを目指して、14音素・約120語だけでつくられた人工言語。30時間で習得可能とされる。 是不是:直訳すると「はい、もしくはいいえ」。「〜ですか?」という意味で使われる。
しかし、SVOで前置修飾ってことは、最初の動詞が主動詞か曖昧になるってことですよね? 大丈夫なのかな
まあ結構そういうのは大丈夫だったりするんじゃないですか
例えばドイツ語は可能、英語でいうcanみたいなのを使う時は動詞の原形が文の最後に来るんですよ。最後まで何をするか分からなくなるわけです。
しかも分離動詞っていって、分離した動詞の一部が文の最後に来るものもあるんですよね。本体の方は相変わらず文の2番目の要素に来るんですけど。
ありますね~ 分離動詞も大丈夫なのかなって思ってました
まあでも使われてるってことは大丈夫なんですよね。人工言語作ってるとシステマチックにしたくなっちゃうので、逆に「これでも通じるんだ」って参考になります
今話してて思ったんですけど、言語の面白さのひとつにこういう構造的な多様性がありますよね。この言語では、こういう作りでこういう表現ができる、みたいな
そうですね
それこそ自然言語とは違うけど、プログラミング言語とかソフトウェアとかと似たような感じがあると思います
確かに。プログラミング言語も多様で、言語によってはびっくりする構文や概念があったりします
次ページ:話題は「言語の勉強あるある」に。2人の思いは対照的で……?
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