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対照的な「言語の勉強あるある」

ここまで言語そのものの話って感じでしたが、言語学習のあるあるとかあります?
あー。人によって学び方は違いますよね。
私は、とりあえず実際に下手でも話せるようになりたいので、ドラマとか映画とか、歌みたいなところから入りますね。
実用重視って感じなんですね
Ziphilさんはどうですか?
私は真逆で言語のシステム面に興味があるので、まず文法書を読みます
それも結構わかります。あんまり話せるようになりたいという気持ちが無くて、どんな感じかだけ見たいときは私もそうします。サンスクリットとかですね
昔、活用を見てうへへってなった思い出があります
サンスクリット! 私もいつか触れようと思ってます
サンスクリット:古代インドで使用されていた言語。「旦那」や、摩訶不思議の「摩訶」といった言葉もサンスクリット語に由来している。
特に、古典語は活用表大きいですよね。見てて楽しい
あまりに活用表が大きく、パラパラめくっただけでやる気は起きなかった
まあ覚えるのはしんどい
私は活用含め、文法事項は実は経験的に覚えていることが多いです
最初の外国語学習である英語のときもそうでした。「聞いたことないから繋がり方が変」ということで不自然な文を弾けるようになっていった感じですね
なるほど! 自然言語の自然な学習ってたぶんそれなんでしょうけど、私はつい理論によっちゃいます
こういう文法があるからこう組み立てれば正しい! みたいな
最終的に表現したいことが表現できていれば、私はいろんな方法があって良いのではないかと思っています。「中国語の部屋」になっていなければいいんじゃないですかね
そうですね。自然な表現の獲得過程がいろいろあるだけで
中国語の部屋:「英語しかわからない人でも、完璧な説明書があれば中国語の質問に中国語で答えられる」という思考実験。コンピューターが知能をもつかどうか判定できるとした「チューリングテスト」への反論として提唱された。
構造主義っぽい説明をすると、結構音楽も似たような側面を持っていると思っていて、私たちの脳の神経細胞のつながりだったり発火パターンによって、記憶や知識や考え、感情……いろんなものがある訳じゃないですか
言語はその中でも、具体的な日常生活やそれより抽象的な範囲で近いアイディアをヒトが共有出来る便利なもので、音楽は(少なくともこの見方だと)もっと言語化されない影響も与えるものなのかなあと思っています
確かに。言語と音楽って、形は違えどアウトプットやインプットの過程は似てますね
音楽を作るのも、たくさん曲を聞いてパターンを認識するルートと音楽理論を学ぶルートがありますし。音楽でも言語でも、結局どっちも必要なんですけどね
しかも、この見方は言語についてのひとつの見方にすぎなくて、言語はコミュニケーションだけじゃなくて思考のツールにもなっている可能性があるところも面白いですよね。現実世界と思考のインターフェイスみたいな。
言語なしで思考できないですもんね。言語に思考が縛られるみたいな話もありますし
言語に思考が縛られる:「サピア=ウォーフの仮説」。ある言語を母語とする人の思考は、その言語の影響を受けるという説。

言語制作のおもしろさ

たとえば私はAIとかの先端情報技術が好きなんですが、近年のLLM(大規模言語モデル)の発展が汎用人工知能にどう影響するのか興味があります
LLM(Large Language Models):膨大なデータセットとディープラーニング技術を用いて構築された言語モデル。話題の「ChatGPT」の基礎となっている「GPT-4」などが代表的。
AIが「考えるツール」として言語を手に入れたってことですか?
今はまだ「考えている」とは言えないと思いますけれどね。 インプットに対してアウトプットを出すような訓練をしただけで、でもその精度が、例えば出力される文章のレベルがすごく上がっていますよね
実際解決出来る問題はかなり増えたので、「あれ、これって考えているってみなせる……?」ってなってきますが。
こんな感じで言語について考えるとき、ただその表現されている物だけでなくて、自分がそういったものについてどう考えているか、考えるとは何かとかまで見つめられるところが結構好きです
「自分が、あるものについてどう考えているか」は結構人工言語作りとも関わってきそう。シャレイア語の造語をしているときはよくそういうこと考えます
やっぱりそういったことも考えるんですね
シャレイア語:Ziphilが10年以上かけて開発している人工言語。過去にはアクリルキーホルダーのグッズが製作されたこともある。

▲QuizKnock YouTubeチャンネルでもシャレイア語の解読に挑戦しています

そうですね。例えば「リンゴ」を造語するときは、何をもってリンゴをリンゴだと思ってるんだろうとか考えます
あ~面白いですね
なので人工言語の造語って、「対象をどう考えているのか」の具現化とも言えると思います。人工言語のおもしろいところのひとつですね
昔私も言語を作っていたとき、自分の考えが変わったことがありました。
昔作ってた言語は、逆の意味の形容詞や副詞が一方から互いに導ける関係にあるような構造を持っていたんですけど、これが向きを持っていたんですね。
つまり正負みたいなものがあって、単語を作りながら物事の軸の向きをどう取るのが合理的かよく考えていたんですね。 熱、大小、時間とかは結構向きが取りやすいと思うんですけど、優しさ、遠近、空腹とかは難しいなと感じたのを覚えています
その頃「思ったより絶対的な物ごとの軸を立てるのは難しくて、相対的に定義されるものが多い」という考えになりました。中1のときですね
左右とかも向きつけるの難しいですよね
そうそう
シャレイア語でも、対義語を作る組み込みのシステムみたいなのはないんですが、英語の un- みたいな接辞はあるので、どっちを un- なしにしてどっちを un- ありにしようみたいなのは悩みます
いやーめっちゃわかる。多分今、言語作ったことある人はみんなわかるって言ってる
人工言語あるあるになってしまった。でも、問題になりがちなテーマだと思います

我々、もっと話せます!

うーんやっぱり言語の話するのはめちゃくちゃ面白いですね!!
チャット1回分におさまらない。多分我々もっと話せますよね
話したいことはいっぱいあります! 2回目やりましょう
ぜひやりましょう! 結構しゃべっちゃった
というわけで今回はそろそろこの辺でおしまいにしましょうかね
そうですね。楽しかったです! また言語の話しましょう!
ありがとうございました! また話しましょう~!!
ありがとうございました!

今後もメンバー同士のゆるいやり取りを「QuizKnock雑談中」で更新予定です!

次回もお楽しみに!

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