新しくものを知ったり学んだりすることは、なかなかに大変なこと。それを、デザインの力で楽しいものに変えてしまう作品を発表し続けている、デザイナーのみっけさん。
WebメディアQuizKnockでは「みっけのクイズパレット」と題し、デザインの裏側にある「ものの伝え方」「デザインの秘訣」などに迫る連載をお届けしています。
▲前回の記事はこちら!
今回は、ひとつのデザインが完成するまでの流れを、これまでの連載の内容をおさらいしながら見ていきます。作品づくりには数多くの試行錯誤が行われていることを、改めて感じ取ってください。
文:みっけ
こんにちは。みっけです。
今までデザインのこだわりやデザイナー目線での分析など、いろいろな記事を書いてきました。私のデザイン観はなんとな~く伝えられたかなと思います。
そこで、今回はシンプルに「私のデザインメイキング」をご紹介します!
1. アイデア出し
デザイナーにはいろいろなタイプがいます。
作風で魅せるタイプ、オールマイティにこなすタイプ、クライアント(仕事の依頼者)の考えを上手くくみ取り忠実に再現することが得意なタイプなどなど……。どれがいいというわけでもなく、デザイナーそれぞれの“個性”です。
では私はどんなタイプかというと、イラストを描くのが得意ではないのでアイデアを楽しんでもらいたいタイプです。いわば『アイデア特化型』なので、アイデア出しで全てが決まります!
第7︎回の記事でも触れたように、アイデアは連想ゲームのように考えます。
今回は、友人と離島に行く計画を立てていて「晴れたらいいね」と話しているときに、「晴れを題材にデザインを作ってみたいな」と思ったのでそれを軸にしていきます。
私の思考回路はこんな感じ!
という感じで、今回のアイデアが決まりました。
アイデアがまとまるまでこれを続けていくので、早ければ数分、遅ければ数日かかります。今回はスムーズに進んだので十数分くらいでしたね。
2. 情報収集
今回は日本語モチーフになったので、使用する日本語を集めます。オンライン辞書やアプリの辞書、紙の辞書などを使い「これいいな」と思ったことばをスプレッドシートにまとめていきます。
ここは結構時間をかけます。見慣れないことばの場合はひとつの辞書だけでなく他の辞書でも意味を確認したり、辞書以外の本や図鑑を見ることもあります。
満足いくまで集められたら終わりです! この作業だけで、大体1〜3時間はかかります。
3. デザイン
ようやくメインの作業です! なんとなく構図や文字入れの構成を考えながら描き起こしていきます。
私はほとんどPCのIllustratorというソフトを使って作業しています。慣れるまで大変なクセのあるソフトですが、
- 一度描いたものは自由に拡大、縮小ができる(劣化しない)
- ひとつひとつのパーツが分離していて、あとで編集しやすい
とめちゃくちゃ最高なメリットがあります!
ちなみに以前、『知りたいこと図鑑』という本を出版しましたが、その中の多くは書籍の出版依頼を受ける前に作ったデザインたちです。書籍用に配置や文字サイズなど大きく変更したデザインもあり、それができたのはIllustratorで作成した作品だからです。『知りたいこと図鑑』はIllustratorがなかったら販売されていなかったかも……!?
▲クイズ頻出の雑学をさまざまなデザインと共に紹介した楽しい教養本です!
そんな推しソフト・Illustratorをどうにか使いながら(何年も使っていますが機能が多く全く使いこなせていません……)、ひとつのパターンを作成しました。