皆さんこんにちは! 最近はにじさんじのVTuber・ルンルンに脳を焼かれています、ライター兼言語学徒の端くれ:トラです。
バーチャルの姿で配信を行い私たちに笑顔を届けてくれる存在・VTuber。その豊かな個性やキャラクター性もVTuberの魅力です。
そんなVTuberの中でも注目のひとりであるのが、ホロライブに所属する
兎田ぺこらを語るのに欠かせない特徴のひとつに、「ぺこ」という語尾があります。毎回の配信のはじめにしている「こんぺこ~」という挨拶に始まり、彼女は配信内でたくさんの「ぺこ」を発します。
そんな彼女の配信を見ている時、私はふと1つの疑問が浮かびました。
この「ぺこ」ってちゃんとした法則性はあるのだろうか?
考えてみると、先ほど語尾とは言ったものの、語尾にしてはかなり変則的な使われ方をしています。
例を挙げると、
「いつもより遅い時間ぺこですけれど」
「いろいろ種類あるぺこじゃん」
「おつぺこでした」
上記の例のように、「ぺこ」の後に丁寧語の「です」や断定などを表す「じゃん」といった言葉が続くことがあります。これを見ると、どうにも「ぺこ」は単に語尾として使われているわけではないようです。
というわけで今回は、この「ぺこ」にはどんな文法的法則があるのか、真面目に検証してみようと思います。
まずは用例調査
「ぺこ」の法則を知るためには、まず実際に「ぺこ」が使われている用例を集める必要があります。
このような場面で実際に用例調査をするときは「コーパス」というものを使うと便利です。コーパスとは本や新聞の書き言葉から人の対話に見られる話し言葉に至るまで、自然に使われている言語を大量に集めてデータベース化したものです。
日本語のコーパスは国立国語研究所の「中納言」というコーパスを使うと便利なので、さっそく調べてみましょう。
この「日本語話し言葉コーパス」に「ぺこ」と入力して、検索しましょう。
すると検索結果が出てくるはず……おや?
「検索条件に該当するデータは見つかりませんでした」!!
なんということでしょう、日本語の話し言葉に含まれる「ぺこ」はまだ十分にデータが集まっていないようです!!!
これでは何もできませんね。ということで、調査はこれで終わりです……。
…………となってしまっては記事が成り立たなくなってしまうので、別の方法を探しましょう。
コーパスに用例が無いとなれば、実際に「ぺこ」が使われている様子を見て用例を集めるのが一番。というわけで、今回は兎田ぺこらの配信動画と本人のXの投稿から「ぺこ」の語尾分析をしていこうと思います。
上記の3本の動画と、本人のXの投稿1カ月分(2024/08/01~09/02に「兎田ぺこら👯♀️ホロライブ3期生」のアカウントから投稿されたもの。リポストは含まない)で実際に使用された「ぺこ」から用例収集をしました。
その結果は……こちらです!!!