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2017年8月23日公開の記事「「1ヶ月」「1か月」書き方はどれが正解?違いや成り立ちを解説します」(執筆:Kosuke Hattori)を再構成しています。

皆さんは「いっかげつ」を普段どう書いているでしょうか。1か月、1カ月、1ヶ月、1ヵ月、1ケ月、1箇月……。ざっと変換してみただけでも、6種類は考えられます。

こんなふうに見てみると、「小さいケ」ってなんだか奇妙な存在に思えてきませんか? しかもそれを「か」と読んでいるなんて、ちょっと不思議。

今回はそんな謎多き「小さい片仮名」たちのルーツを探ってみましょう。

小さい「ヶ」や「ヵ」の由来は?

まず、「ヶ」はどこから来たのでしょうか。その答えは、漢字の「箇」にあります。

「箇」が略されて、竹かんむりの部分だけを残して「ヶ」になったとする説。

そして、「箇」の異体字である「个(か・こ)」を崩して「ヶ」になったという説。

この2つが有力とされています。

▲ちなみに「个」は現代中国語でも「個」や「箇」の代わりとして使われています

したがって、「ヶ」は片仮名の「ケ」を小さくしたものではなく、「箇」にルーツをもつ記号のようなものなのです。

とはいえ、見た目があまりに似ているため、やがて「ケ」の小文字としても認識されるようになり、普通の「ケ」を使って「1ケ月」と表記する例も生まれたとされています。

では、「ヵ」はどうでしょう?

これは、「1か月」と読むときの「か」の音を片仮名にしつつ、小さい「ヶ」と並べても見た目が揃うように考えて使われ始めたと推測されます。

「いっかげつ」、どう書くのが正しい?

さて、結局「いっかげつ」はどう書くのが正解なのでしょうか?

結論からいえば、どの表記も「間違い」ではありません。だからこそ、多くの表記が並行して使われているわけですね。

ただし、場面に応じて「推奨される表記」はあります

文化審議会が公表している「公用文作成の考え方」では、横書きの公文書の場合には「1か月」のように算用数字+ひらがな+漢字の表記が望ましいとされています。

また、放送・出版業界でも、ひらがなの「か」を使用するというルールになっていることが多いようです。

文化審議会:文部科学省に設置されている、専門家による審議機関。国語、著作権、文化財、文化功労者選考の4つの分科会をもち、審議・提言をおこなっている。

地名などの固有名詞はまた別の話

一方で、地名に使われる「ヶ」などはまた事情が異なります。

たとえば、東京の「自由が丘」や「霞が関」などは現在ではひらがな表記になっていますが、「吉野ヶ里(佐賀県)」や「三ヶ日(静岡県)」などは今でも「ヶ」が使われています。

駅名や施設名、公園名などでも、同じ土地名に由来する名前なのに表記が異なるといった例も多く見られます。

どの表記が正しいというものではなく、自治体の判断などによって変わるようです。

まとめ:「一貫性」が大事です

というわけで、「1か月」「1ヶ月」「1カ月」などの表記はどれも使用可能です。

ただし、文章や記事の中で表記が混在してしまうのは、読みづらさの原因にもなりかねません。

たとえば、「1ヶ月」と「3か月」が同じ記事に登場すると、読む人は「あれ?」と感じてしまうかもしれません。どれを選ぶかは自由ですが、同じ文章内では統一した方が読み手にも優しく、すっきりとした文章になりそうですね。

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