撮影協力:サンシャイン水族館
どうも、シャカ夫です。
「定番のデートスポットといえば?」
こんな話になった時、必ずといって良いほど話題にあがるのが水族館でしょう。
美しいレイアウトと魚たちに心躍らされ、ほの暗い館内は2人だけの落ち着いた時間を演出する……。恋人とのひとときを最高のものにできる、ベストスポットといえます。
しかしながら、相手への気づかいを忘れて自分だけ楽しんでしまうと、途端に空気を悪くしてしまいます。デートは恋人とともに楽しむものなのです。
ところで、QuizKnock黎明期に投稿された以下の記事をご覧下さい。
見てください、知識をひけらかすことしか頭にない河村氏の暴走と痴態を!
▲考えられない暴走と痴態の数々
10年越しにこの記事を読んだ生き物オタクの私は、こう思ったのです。
そして、ちょうど同じことを考えていた他の生き物オタク2人も合流し、10年前と同じ場所、サンシャイン水族館に集結しました。
というわけで、河村さんには水族館で上手く相手をエスコートする対決に参加してもらいます。
なんだこの企画は? 私に対する悪意だけで成立してるんだが。
どうしたんですか。負けるのが怖いんですか?
どうやったら、10年前の記事からそこまでの敵意を練り上げられるんだよ。
▲選手権開始前に10年前の記事を改めて読む
▲「懐かしい……」
河村さん、これじゃあモテませんよ……。
この調子だと、本当に僕たちの圧勝で終わりますよ?
▲散々煽られる河村氏
いやいや、私も10年前とは違いますからね。
そもそも、結婚してるし……。
ほんとじゃん。なんで既婚者なのにこんな企画参加してるんですか?
きみたちに呼ばれただけなんだよなぁ……。
▲ひとまずサンシャイン水族館に入場
1人目:熊倉悠弥
トップバッターはライターの熊倉悠弥。
生き物の知識と企画の思い切りの良さに定評がありますが、一体どんなエスコートを見せてくれるのでしょうか?
もう、僕のエスコートを見たら、あとの皆さんは戦意喪失しちゃうかもしれないですね。
相当な自信ですね、期待が高まります……!
デート開始!
皆さん、すでに何か勘違いされていませんか?
……と、いうと?
10年前の河村さんのデート、実は正解に近いんです!
そんなわけないだろ!
私が言うのもなんだけど、そんなわけないよ。
たしかに、知識をひけらかすのはよくありません。でも、魚のことを学びながらその知識を楽しむ……これは水族館が想定する最もストレートかつ健全な楽しみ方なんですよ!
▲おもむろに1つの水槽の前に立つ熊倉
どうぞお座りください。
「どうぞお座りください」なわけない。
デートというより、遠足集団の腰の下ろし方だろ。
▲座る
今から、素晴らしい魚の雑学の数々を皆さんにお伝えします。時にはともに議論を交わし、存分にこの水族館という場所を堪能しましょう。
大学の少人数授業……?
▲この水槽だけで2~3時間はいけるらしい
あれはタカサゴという魚ですね。
▲ぬるっと開始
沖縄ではグルクンと呼ばれていますね。
その沖縄では「県の魚」にもなっていることで知られますね。
そもそも今日来た連中が全員生き物好きなせいで、合いの手のレベルもかなり高いな。
タカサゴ:沖縄ではグルクンと呼ばれる魚。沖縄県では県の魚に指定されており、様々な料理に使われる。
シンプルに、楽しく魚を説明しているだけ。
エスコート要素を捨てて、海洋知識に全振りするつもりか?
そんなやつがトップバッターでいいわけない。
お、あれは!
えっと、なんだっけ、あの……テング、なんちゃら
▲「チラッ」
テングハギですね。美しい魚です。
めっちゃカンニングしてなかった?
講義にあたってメモを用意するのは当然の準備とは思いませんか。
もう企画の趣旨を取り違えている。
▲エスコート(?)は続く
お、ウツボ、ウツボだ!
今日の主役ですね。ウツボについてなら何時間でも話せます。これについて話すために今日来たといっても過言ではない。
デートでエスコートするためであってくれよ。
▲ウツボへの愛が止まらない
ウツボって和歌山とか高知の方では食用になってるんですが、中骨の処理が厄介なんですよね。
へ~!
ウナギの仲間なので、ウツボの血液にも毒が含まれています。イクチオトキシンってやつですね。
イクチオトキシン:ウナギやアナゴの血液中に含まれる毒素の一種。
ウナギを生で食べちゃいけない理由となっている毒ですね。
そうですそうです。
ウツボの中でも「ドクウツボ」っていう種は、それとは別の毒素を体に蓄えています。シガテラ毒ですね。
シガテラ:シガトキシンなどの毒素を含む魚介類による食中毒症状。ドライアイスを当てるような神経痛を伴う。毒素を含む魚は何種類も存在する。
……。(うんうんとうなずく)
この人に向かって毒の話するの、ちょっと気が引けるな。
※シャカ夫は大学院で生物毒の研究をしていた
そんなそんな。続けて?
素人質問してきそうで怖い。
シガテラ毒って色んな海産物に含まれるんですが、その毒素が初めて抽出されたのがドクウツボからなんですね。
大量のウツボからちょびっとの結晶をやっと取り出した研究のやつね? 論文読んだことあるよ。
あれいいですよね~!
存外話が弾むな。
▲その後、色々な生物雑学を披露する熊倉
この水槽にはホンソメワケベラがいるみたいですね。
ホンソメワケベラ:細長い体が特徴の魚。「掃除魚」として有名で、他の魚についた寄生虫などを食べる習性がある。
ウツボの歯についたカスを掃除するなどの習性で知られるホンソメワケベラですが、手当たり次第に掃除するわけじゃありません。
「クリーニングステーション」と呼ばれる場所にやってきた魚を掃除してあげるんです。
お店みたいなシステムなんだ。
本来は口の中のエサを分けてもらってるわけだから、営業に出ていくスタイルだと思ってた。
自分の腕に相当自信があるんだなぁ。
▲みんなでホンソメワケベラを探す
……あ、あれそうじゃない!?
▲ホンソメワケベラ探しが盛り上がる
あ、あれですあれです!
こんな広い水槽でも探し出せるもんなんですね~。
目をつける魚を一種にしぼったら、また違う視点が味わえるね。
▲魚の探索に沸く面々
今日はここらへんにしときましょうか。いかがです、ひとつの水槽についてじっくり語るのも楽しいでしょう?
正直、途中からかなり楽しかった。
普段は気づかなかったものにも、しっかり目を向けることができたし。
水族館本来の楽しみ方って、こういうことなのかもしれないね。
「1つの水槽をじっくりとマニアックに楽しむ」というコンセプトだった熊倉。
最初は不安でしたが、巧みな解説と新鮮な体験によってメンバーの心をがっちりと掴むことに成功しました。大学の講座にあったら応募者が殺到していたでしょう。
水族館は楽しめました。デートを楽しめていたかは、わかりません。
魚類の毒性について、熊倉くんとは酒を入れながら語り合いたいですね。
全部が正しいのに、出る企画だけ間違えた人。
さぁ、場があったまったところで次の挑戦者です。
次ページ:次のエスコートは「謎解き」!? 緻密な演出を見逃すな!