こんにちは。森川です。
皆さんは「鬼」と聞くと、どのような姿をイメージしますか?
鬼のイメージといえば、頭に生えたツノ、口から生えた牙などありますが、なんといってもトラ柄パンツは印象的です。
でもどうして鬼はトラ柄のパンツを履いているのでしょう? 人間を怖がらせるためでしょうか?
トラ柄は十二支の寅から来ていた
鬼がトラ柄のパンツをはいているのは、実は中国から伝わった陰陽道に由来します。
陰陽道では、北東の方角を鬼が出入りする「鬼門」として忌むべき方角とします。この鬼門の考え方は、鬼門の方角には浴室やトイレを作るのを避けるべきとされるなど、現代にも影響を与えています。
古来、中国や日本では方角を表すのに十二支を用いていました。子を真北として、時計回りに十二支を配置すると、北東はちょうど丑と虎の間、すなわち艮に当たります。
この鬼と丑寅の結びつきから、牛の角を持ち、虎柄のパンツを履いた「鬼」のイメージが形作られたのです。
桃で鬼退治
鬼といえば他にも昔話の『桃太郎』を思い浮かべる人も多いと思います。桃太郎が「桃」であるのも実は理由があります。
中国原産の桃は古くから珍重され、中国では邪気を払う果物と信じられてきました。この考えが日本にも伝わり、桃には鬼を退治する効果があるとされたのです。桃太郎が、みかん太郎でもりんご太郎でもないのはこういうわけです。
日本最古の勅撰歴史書『日本書紀』の中にも桃の実を投げて、追って来る鬼を防いだという伝説が残っています。
おわりに
鬼門である艮の方角に桃の木を植えると、災いを防ぐと信じられています。みなさんも、2月3日の節分の日には、豆とともに桃を用意しておくと良いかもしれません。
参考文献
- 日本大百科全書「鬼門」
- デジタル大辞泉「鬼門」
- 国史大辞典 「鬼」