2021年11月19日の夕方から、部分月食が起こります。
今回は、月の直径の約98%が隠れるという、限りなく皆既月食に近い部分月食。そしてなんと、日本全国のどこでも見ることができるのです。これは見逃せない!
月食が見える時間は?
今回の部分月食は、夕方から夜にかけて、全国で見られます。
北海道・東北地方では月の出の数分〜十数分後から月食が始まります。食が始まる頃は、月の高度が低いので、東の空が開けた場所から観測しましょう。またそれ以外の地域では、月が欠けた状態で昇ってくる月出帯食となります。
部分食が最大になるのが18時3分頃、食が終わるのは19時47分頃です。今回は全体を通して2〜3時間ほど部分月食を観察することができます。
月食ってなに?
月食とは、地球の影に月が入り、月が暗くなったり欠けたように見えたりする現象のことをいいます。
では、月食はなぜ起こるのでしょうか?
月食はなぜ起こる?
地球の衛星である月は、自ら光っている星ではありません。月は、恒星である太陽の光を反射することで夜空で光って見えるようになります。
月食は地球によって月に当たる太陽の光がさえぎられてしまうために起こります。太陽の光によってできた地球の影の中を月が通過することで、月が暗くなったり、欠けたように見えたりするのです。
よって月食は太陽と地球と月が一直線に並ぶとき、つまり満月の頃だけに起こります。
ただ満月は毎月訪れますが、そのたびに月食が起こるわけではありません。それは地球の公転軌道と月の公転軌道が5.1°程度傾いているためです。そのため太陽と地球と月が一直線上に並ぶのは約半年に1回となります。通常の満月は地球の影より北側や南側にそれたところを通過しています。
月の満ち欠けと何が違うの?
ところで、月食で月が欠ける様子と、ふだん見ている月の満ち欠けは何が違うのでしょうか?
月は、太陽の光を反射することで見えるようになるので、太陽の光が当たっていない(影になった)部分は、地球から見ることができません。月に当たる太陽の光は一定なので、地球に昼と夜ができるのと同じように、月も明るい部分と暗い部分にわかれます。
月は約1カ月かけて地球の周りを公転しています。このとき、地球から月が見える方向が変化するため、明るい部分と暗い部分の形が変化するのです。これが月の満ち欠けです。
部分月食ってなに?
さて、月食の中でも今回は部分月食です。
地球の影には本影(太陽光がほぼさえぎられた濃い影)と半影(本影を取り囲む薄い影)の2種類があり、月が本影に入ったときのことを一般的に月食といいます。そのうち月の一部だけが本影に入り込む現象が部分食、月の全てが本影に入り込む現象が皆既食となります。今回は部分食ですが、月のほとんどが本影に入り込む、大きな部分月食を見ることができるんです!
さいごに
月食を観測するとき、なぜこのような現象が起きるのかを知っていると、見えている月だけでなく、影を作っている地球や、地球を照らしている太陽のことも想像できて、より楽しめますね。
全国どこに住んでいる方でも、今回の部分月食は楽しむことができます。ぜひ11月19日の18時頃、みんなで一緒に部分月食を観測しましょう!